はじめまして。


BL小説を書いております、やぴと申します。
こちらは男同士の恋愛小説となっております。
ストーリーの関係上、性描写があります。
ご理解いただける方のみ、自己責任において閲覧ください。
実際は小説と呼べるほどのものでもなく、趣味で書いていますので、稚拙な文章ではありますが楽しく読んで頂けると幸いです。

コメントなど気軽に頂けると嬉しいです。
誹謗中傷などの心無いコメントは当方で削除させていただきます。ご了承下さい。

花嫁の秘密 322 [花嫁の秘密]

サミーの背中の傷を愛おしく思っているのは自分だけだと、エリックは自負している。『醜いだろう?』と傷ついた表情でそう言ったサミーに、そんなことはないと慰めの言葉を掛けなかったのは、そうされるのをサミーが嫌うと知っていたから。

けれどもその代わりに、サミーを抱くときには必ずこの場所に触れ、キスをした。痛むはずはないとわかっていても、優しく触れずにはいられなかった。

サミーは敏感に反応し、普段は出さない声を聞かせてくれる。とても魅力的な声だ。きっと俺しか聞いたことがないだろう。サミーの感じる場所を探り当て、普段は抑えている欲望をありとあらゆる方法で引き出す。これが出来るのもきっと俺だけだ。

「サミー、こっちを向け」エリックはサミーの背を抱き、耳元で告げた。今夜ほどおとなしくベッドへ招き入れてくれた日があっただろうか。

サミーはゆっくりと振り向き、濡れた瞳で見上げた。抱かれている時に見せる、いつもより青みの強いこの目の色は特にお気に入りだ。どんどんのめり込んでいく自分が怖くもあったが、いまさらもうどうしようもなかった。

エリックはサミーにキスをし、こいつは俺のものだと叫ぶ代わりに、自身を奥までぐっと突き立てた。サミーのくぐもった喘ぎは歓喜と抗議が入り混じっていた。

「なんだ?ここ好きだろう」

「そういう、下品なことを言うのは、やめてもらえるかな」エリックの下でサミーはまぎれもなく抗議の声をあげた。

「でも好きだ」ゆっくりと腰を引くと、サミーの身体を横にして焦らすように内壁を擦る。実際焦らされているのはエリックの方なのだが、あまりに性急な行為ではサミーを満足させられない。それにゆったりとした行為は一秒でも長く繋がっていられる。

これからの数日、サミーが断らなければベッドで過ごすつもりだ。身体の相性はいい。退屈はさせない自信もある。

サミーの乱れた息づかいが心地よい。強く突くとサミーの身体は悦びに震え、エリックはさらに奥深くへと身を埋めた。

「ああ、エリック……」サミーが声を絞り出す。懇願するような声音はとてつもなくそそる。

「もっとか?」

答えたくないのかサミーは頭をわずかに動かしただけだ。ほんと、素直じゃない。けどベッドの中で意地の張り合いをしても仕方がない。こっちにも限界ってもんがある。

サミーが望むなら何度だって好きな場所へ連れて行ってやる。それだけの時間もある。

つづく


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