はじめまして。


BL小説を書いております、やぴと申します。
こちらは男同士の恋愛小説となっております。
ストーリーの関係上、性描写があります。
ご理解いただける方のみ、自己責任において閲覧ください。
実際は小説と呼べるほどのものでもなく、趣味で書いていますので、稚拙な文章ではありますが楽しく読んで頂けると幸いです。

コメントなど気軽に頂けると嬉しいです。
誹謗中傷などの心無いコメントは当方で削除させていただきます。ご了承下さい。

ヒナおじいちゃんに会いに行く 10 [ヒナおじいちゃんに会いに行く]

成り行きとはいえ、ダンの仕事を奪ってしまった。

エヴァンはヒナの部屋のドアを開け、複雑な気持ちでカイルの到着を告げた。

「お坊ちゃま、カイルさんがいらっしゃったようですよ」

「ヒナだし、カイルだし」ヒナはベッドに横たわったまま、つっけんどんに言い返した。

さっそく、牙を剥かれた。こういうヒナは珍しくてエヴァンは愉快な気持ちになった。

「ヒナ、カイルが来ましたよ。これでいいですか?」一言余計だとはわかっていても、口にせずにはいられなかった。ダンの代わりになれるとは思わないが、せめて受け入れて欲しい。

ヒナはハッとした顔をして、しゅんとうなだれた。「エヴィ、ごめんね」

「いいえ」エヴァンは出来得る限り表情を和らげた。頬の傷がつれて思うような顔は作れなかったが、ヒナはわかってくれただろう。

「エヴィもヒナが悪いと思う?」ヒナはお尻を持ち上げてのそのそと移動すると、危なっかしくベッドから降りた。

「まさか。何があってもわたくしはお坊ちゃまの味方です」

今回の件、ヒナが悪いとはエヴァンはひとつも思っていなかった。もちろん、ダンが悪いとも思っていない。問題は別のところにあって、その問題が解決しない限り、ヒナはまた同じことをするだろう。何度でも。

しかし、旦那様の下した決定は間違っていない。だから厄介だ。

「エヴィはヒナの味方ね」ヒナは唇を尖らせた。

お坊ちゃまと呼ぶことが気に障るらしい。

「最初からずっとそうですよ」ヒナがわたしの傷を優しく撫でてくれたときから。

「でも、ジュスが命令したら言うこと聞くでしょ?」

エヴァンはおかしくなって小さく笑った。「旦那様ですから。そして、ヒナは旦那様の大切な人です。だからわたくしはヒナの言うことも聞きます」

「じゃあ……リボン結んで。ヒナは靴下」そう言って、ヒナはソファの上の靴下を手にする。

「喜んで」

ヒナはにこっと笑って、鏡の前に座った。もぞもぞと靴下を履く。エヴァンはヘアブラシを手にして、ヒナの後ろに立ち優しく髪を梳いた。

「赤いリボンにする」ヒナはリボンの入った箱から赤いのをひとつ、しゅるしゅると引き出した。

これは珍しい。ヒナはたいてい青か緑のリボンを選ぶ。赤を選んだということは、やはり怒っているのだろうか?

でも、誰に対して?やはりわたしか?それとも旦那様?

エヴァンは頭の上の方で髪を束ねると、リボンが目立つように大きな蝶々結びを作った。

不謹慎だが、この後の展開が楽しみでならない。

つづく


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コメント 2

saku

何時も楽しみにしてます。
エヴァンとヒナのやりとりがほのぼのとしていて凄く好きなので、これから少し増えるかな?と期待してます。
by saku (2017-02-22 20:10) 

やぴ

sakuさま、こんばんは。
いつもありがとうございます!
エヴァンとヒナはちょっとした親子みたいな関係ですかね。ダンとは違ってダメなものはダメって言える大人、みたいな。
出番は増えそうです。たぶん…

コメントありがとうございました♪ 
by やぴ (2017-02-23 01:21) 

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