はじめまして。


BL小説を書いております、やぴと申します。
こちらは男同士の恋愛小説となっております。
ストーリーの関係上、性描写があります。
ご理解いただける方のみ、自己責任において閲覧ください。
実際は小説と呼べるほどのものでもなく、趣味で書いていますので、稚拙な文章ではありますが楽しく読んで頂けると幸いです。

コメントなど気軽に頂けると嬉しいです。
誹謗中傷などの心無いコメントは当方で削除させていただきます。ご了承下さい。

ヒナおじいちゃんに会いに行く 11 [ヒナおじいちゃんに会いに行く]

カイルがバーンズ邸にやって来て十五分ほど経った頃、ヒナが赤いリボンをふわりとなびかせながら応接室にやって来た。

お昼のひと騒動の時よりも元気そうで、カイルはホッとした。

「あ、ヒナのそのリボンかわいい」

ヒナの赤いリボン姿、初めて見た。すごく似合ってる。

「んふふ。これ、アダムス先生がくれたの」ヒナは頭を振ってリボンを見せびらかし、テーブルを挟んだ向かいのソファにちょこんと座った。

「先生はセンスがいいね」カイルはそう言って、少し伸びた襟足を指先でつまんだ。僕もこういうのが似合えば、ウェインさんが好きになってくれるのかな?

「お母さんが選んだんだって」ヒナはまた頭を振ってみせた。

あ、それじゃあ、お土産のお礼なんだ。

「よかった。ヒナが元気そうで……さっき、ウェインさんが来た時、ダンのこと聞いたから。ウォーターさん、すごく怒ってたね」

ヒナを待っている間、ウェインさんがいろいろ話してくれた。お茶を注ぎながらダンがヒナの世話係から外されたこと、ヒナがおやつを減らされて涙をこぼしたこと、そしてヒナに甘いウォーターさんが本気で怒っていたこと、全部話してくれた。

「ジュスなんか、知らない……ダンは悪くないのに……」

「ウォーターさんは、ヒナが心配だっただけだよ。ほら、おやつもいっぱい。このケーキすごく美味しそう」カイルはヒナの為に、クリームたっぷりのケーキを取り分けた。

「シモンがカイルが来るから出してくれただけだもん。ヒナのじゃないもん」ヒナは唇を尖らせて皿を押しやった。

「ヒナってさ、時々(じゃないけど)すごく子供っぽいよね」

「えっ!なんで?」

「だってさ、ウォーターさんの気持ちになってみてよ。もしもさ、ウォーターさんがヒナに黙ってどこか行っちゃったら嫌でしょ?」

ありそうにもないことだけど、ヒナの反応は早かった。

「やだっ!」

「ほらね」カイルはしたり顔でヒナの為に紅茶を注いだ。ついでにケーキ皿を押し戻す。

「でも、ダンを取ったりしないもん。エヴィがいるけど……エヴィはすごく大人だから、ヒナの事わかってくれる。けど……」ヒナはうまい言葉が見つからなくて、もどかしそうだ。

ヒナの言いたいことはなんとなくわかる。エヴァンさんがどうとか、そういう問題じゃないんだ。ダンがいいってだけ。

「エヴァンさんていい人だよね。すごくかっこいいし、リボンも綺麗に結んでくれる。でも、僕はウェインさんが好き」お世話してもらうなら、断然ウェインさんがいい。

「ヒナはジュスが好き」

そこはダンって言うところなのに……。

でも、ヒナらしいや。

「それじゃあ食べよ。おじいちゃんの続き、教えてよ」

つづく


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