はじめまして。
BL小説を書いております、やぴと申します。
こちらは男同士の恋愛小説となっております。
ストーリーの関係上、性描写があります。
ご理解いただける方のみ、自己責任において閲覧ください。
実際は小説と呼べるほどのものでもなく、趣味で書いていますので、稚拙な文章ではありますが楽しく読んで頂けると幸いです。
コメントなど気軽に頂けると嬉しいです。
誹謗中傷などの心無いコメントは当方で削除させていただきます。ご了承下さい。
花嫁の秘密 257 [花嫁の秘密]
話をするだけだった。もちろんサミーに触れるのは当然で、キスもするつもりだった。腕の中に手に入れたくてたまらない男がいるのに、何もせずにいられるはずがない。
サミーはなぜかほぼ無抵抗だ。いったい何を考えているのだろう。
俺がジュリエットのことを隠しているように――もちろん明日の夕方までの話だ――サミーも何か隠しているのだろうか?例えばデレクとの関係とか。
ふいに激しい嫉妬が湧きあがり、エリックはサミーの顔を両手で挟むと考えを読み取ろうと瞳を覗き込んだ。さすがに枕元の灯りだけではそこまではわからなかったが、少し驚いているようだ。
「急にどうしたんだ?」サミーが不思議そうに尋ねる。キスをやめて欲しくなかったのだろうか?それとももっと体に触れて欲しいのだろうか。そう勘違いしてもおかしくない声音だ。
「そっちこそ、今夜はどうした?」酔ってもいないのに、素直に抱かれようとしているなんて。
「どうって……君こそ、何か、いつもと違う」サミーは疑り深い目を向けてきた。見慣れた目つきだ。
「俺はいつも通り、お前が欲しいだけだ」エリックは答えた。ここまで素直に気持ちを吐き出すのは愚かすぎるが、駆け引きをしたい気分ではなかった。
「どうして急に?君の中で何が変わったんだ?」
「最初から何も変わっちゃいない」
「違うね。最初は僕のことを嫌っていた。アンジェラを害するなら容赦はしないってね」
ったく、ごちゃごちゃとうるさいやつだ。エリックは返事をする代わりに、サミーの口をふさいだ。舌で唇を開き中へ押し入る。確かにサミーの言うように、急に何かが変わった。その何かがわかれば苦労はしない。
サミーは抗議する代わりにキスを返してきた。縋るように抱きつき、熱い舌を絡めてくる。それだけで、勘違いしそうになる。サミーが俺を受け入れたのかと。おそらく、心以外は差し出すだろう。それでは満足できないと知っていながら。
エリックは唇をあごに押し当てそれから喉へと滑らせた。サミーが小さく呻き、エリックの胸に手を置いた。まさか今更拒もうって気じゃないだろうな。
エリックは自分の胸に置かれたサミーの手首を掴み口元に持っていった。「やめて欲しいか?」
サミーがまっすぐに見返してきた。「なぜそんなことを聞く?いままで聞いたことないくせに」
「まったく、他に言い方ってもんがあるだろう」馬鹿みたいだが、拒まれずにホッとしている。でもまあ、今夜はこうして触れ合うだけでいい。朝まで追い出されずにいられたら、今後の関係に期待が持てるだろう。
サミーがどうしてもしたいと言うなら、もちろん拒みはしない。
つづく
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サミーはなぜかほぼ無抵抗だ。いったい何を考えているのだろう。
俺がジュリエットのことを隠しているように――もちろん明日の夕方までの話だ――サミーも何か隠しているのだろうか?例えばデレクとの関係とか。
ふいに激しい嫉妬が湧きあがり、エリックはサミーの顔を両手で挟むと考えを読み取ろうと瞳を覗き込んだ。さすがに枕元の灯りだけではそこまではわからなかったが、少し驚いているようだ。
「急にどうしたんだ?」サミーが不思議そうに尋ねる。キスをやめて欲しくなかったのだろうか?それとももっと体に触れて欲しいのだろうか。そう勘違いしてもおかしくない声音だ。
「そっちこそ、今夜はどうした?」酔ってもいないのに、素直に抱かれようとしているなんて。
「どうって……君こそ、何か、いつもと違う」サミーは疑り深い目を向けてきた。見慣れた目つきだ。
「俺はいつも通り、お前が欲しいだけだ」エリックは答えた。ここまで素直に気持ちを吐き出すのは愚かすぎるが、駆け引きをしたい気分ではなかった。
「どうして急に?君の中で何が変わったんだ?」
「最初から何も変わっちゃいない」
「違うね。最初は僕のことを嫌っていた。アンジェラを害するなら容赦はしないってね」
ったく、ごちゃごちゃとうるさいやつだ。エリックは返事をする代わりに、サミーの口をふさいだ。舌で唇を開き中へ押し入る。確かにサミーの言うように、急に何かが変わった。その何かがわかれば苦労はしない。
サミーは抗議する代わりにキスを返してきた。縋るように抱きつき、熱い舌を絡めてくる。それだけで、勘違いしそうになる。サミーが俺を受け入れたのかと。おそらく、心以外は差し出すだろう。それでは満足できないと知っていながら。
エリックは唇をあごに押し当てそれから喉へと滑らせた。サミーが小さく呻き、エリックの胸に手を置いた。まさか今更拒もうって気じゃないだろうな。
エリックは自分の胸に置かれたサミーの手首を掴み口元に持っていった。「やめて欲しいか?」
サミーがまっすぐに見返してきた。「なぜそんなことを聞く?いままで聞いたことないくせに」
「まったく、他に言い方ってもんがあるだろう」馬鹿みたいだが、拒まれずにホッとしている。でもまあ、今夜はこうして触れ合うだけでいい。朝まで追い出されずにいられたら、今後の関係に期待が持てるだろう。
サミーがどうしてもしたいと言うなら、もちろん拒みはしない。
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