はじめまして。


BL小説を書いております、やぴと申します。
こちらは男同士の恋愛小説となっております。
ストーリーの関係上、性描写があります。
ご理解いただける方のみ、自己責任において閲覧ください。
実際は小説と呼べるほどのものでもなく、趣味で書いていますので、稚拙な文章ではありますが楽しく読んで頂けると幸いです。

コメントなど気軽に頂けると嬉しいです。
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花嫁の秘密 251 [花嫁の秘密]

マキシミリアン・ホワイトことマックス・ホワイトは、階段の途中で話し込む二人に目をとめた。

あの素晴らしいプラチナブロンドは――見間違えようがない。まさか彼が今夜ここに来ているとは思わなかった。デレクたちはもう知っているのだろうか。隣にいるのは、コートニー家のあいつか。

ホワイトは思わず舌打ちをした。あそこが結婚によって繋がったことは、もちろん知っている。けど、まさか一緒にここへ来る仲とはね。予想外だ。

しかし、いつ見ても彼は美しい。ここ最近で出会ったなかでは一番ではないだろうか?

ホワイトは他に誰かいただろうかと、何人か自分の記憶から引きずり出した。ああ、そういえば、あそこのクラブの彼も恐ろしく美しい。いつか会員になりたいものだが、少々の資金不足と紹介してくれる保証人がいないので、当分は無理だろう。残念だ。

考え事をしている間に、次のターゲットであるサミュエル・リードとコートニーは消えていた。おそらく賭博ルームへ入ったのだろう。今夜はいったいどんな賭けが行われているのやら。自分が賭けの対象になっていることは知っているのだろうか?半年後、結果を見届けるのが楽しみだ。ああ、そうだ。彼がいなくなる前に、あの美しい髪の手入れ方法について聞いておかなければ。

気を取り直してカードルームへ向かう。ラウンジで目に留まった人に挨拶をせずにはいられない質なので、もう一〇分はかかりそうだ。ホワイトは自慢の高い鼻を指先で擦った。見覚えのある男が奥の席でローストビーフを食べている。あれは誰だっただろうか。

最近プルートスのシェフが変わって、提供される料理が格段に美味しくなった。そのなかでもローストビーフは格別だ。誰も彼もまずはこれを食べる。うまい料理が食べたきゃレストランへ行けばいいのに、とは思うが、レストランでの食事はひどく面倒だ。

ホワイトは明日の食事会のことを思い出して、陰鬱な気分に陥った。最近はちょっとしたことで落ち込むが、明日の食事会ほど憂鬱なことはない。おかげでデレクのところのパーティーに行けなくなってしまった。

カードルームの両開きの扉は開け放たれていて、奥に見えるテーブルはすべて埋まっていた。やれやれ、今夜はえらく盛況だなとひとりごち、ようやくデレクとシリルに合流した。特に待ち合わせはしていないが、シリルが遅いじゃないかと大きな手で肩を叩いてきた。シリルはこんがり日焼けした小麦色の肌の大柄な男で、挨拶がてら肩を叩かれただけで、こちらはひどくダメージを受ける。黄金色に近い茶髪に飴色の瞳、彼をカムフラージュするなら黄金色の草原に隠すのが一番だと常々思っている。

なぜシリルは日に焼けたいんだろう。シリルと対照的に青白い顔をしたホワイトはゾッとせずにはいられなかった。貴族階級の人間は日焼けなどするものではない。

いつか助言してやろうと思うが、まずは報告だ。

「デレク、リードが来ていた」

つづく


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