はじめまして。
BL小説を書いております、やぴと申します。
こちらは男同士の恋愛小説となっております。
ストーリーの関係上、性描写があります。
ご理解いただける方のみ、自己責任において閲覧ください。
実際は小説と呼べるほどのものでもなく、趣味で書いていますので、稚拙な文章ではありますが楽しく読んで頂けると幸いです。
コメントなど気軽に頂けると嬉しいです。
誹謗中傷などの心無いコメントは当方で削除させていただきます。ご了承下さい。
花嫁の秘密 256 [花嫁の秘密]
サミーはベッドの中でまどろんでいた。
エリックとの外出は予想外に楽しめた。もちろん目的があり、楽しむために出かけたわけではなかったが、それでも久しぶりにまともに食事もしたし、ゲームの腕も鈍っていなくてホッとした。
少し前にセシルが戻ってきていたのは、ドアの閉まる音で気付いた。彼も今夜は楽しめただろうか?僕と違って朗らかで友人も多いのだろう。こっちへ来てすぐに呼び出されるくらいだ。
といっても、別に羨ましくはないのだけど。
サミーは寝返りを打とうとして、物音に気付いた。部屋に誰か――
「いったいどうして僕の部屋に?ちょっ!なに――」相手が誰だか確かめる間もなく――確かめる必要などないが――上掛けがめくられ、冷たい空気とともにエリックがベッドに入ってきた。
「気にするな」
「なんだって君は僕のベッドの潜り込んでくるんだ?」昨日は結局のそのまま眠ってしまったが、彼は朝までここにいたのだろうか?気になるけど、確かめるような愚かな真似はしたくない。
「少し話をするだけだ、寝てろ」そう言ってエリックは昨夜と同じように背中に貼りついた。左腕を回し、しっかりと抱き寄せる。
サミーは諦めて脱力した。抵抗したってエリックは好きにする。すでに鼻先を首筋に擦りつけていて、そのうち勝手に吸い付くに違いない。
「今夜の事?君の目的は達成できたのかな?四人目は現れなかったけど」そもそも四人目が誰だかわからないのに、いたって気づくはずもない。
「まあ、牽制はできたんじゃないかな」
「牽制?デレクは何も気にしてなさそうだったけど?」
「でも、動きは見せていた」
確かにね。どうせ僕をうまく葬る作戦でも立てていたんだろうよ。まったく腹の立つ。なんだってデレクなんかに殺されなきゃならない。いや、殺すのはジュリエットか。ジュリエットはもしも僕と結婚したら、本当に僕を殺すだろうか?クリスの存在がそれを阻みそうな気もするが、煽られればやりそうでもある。
いっそ試しに結婚してみるか?条件を付けて――ああ、ダメだ。それだと僕は賭けに負けてしまうことになる。
会話が途切れ、エリックはその時を待っていたかのように耳の下の柔らかい場所に口づけた。そっと首筋を辿る。
「やめろと言わないのか?」囁き、また口づける。
「酔っているのか?」
「シャンパン一本で?」まさかという声。
「そのあとも飲んでいただろう」僕もあそこまで飲めたらどんなに楽しいだろうかと思う。
「帰ってからは飲んでいない。もういいから黙れ」
エリックはまわしていた腕を引き、サミーを自分の方に向かせた。もう一秒だって我慢できないというように荒っぽく口づける。唇を開かないという選択肢はなく、サミーは冷静さを失わないように別の何かを考えようとした。
確かにほんのり酒の味がするが、どちらかと言えばミントかな。それと身体から立ち上る石鹸の香りが鼻を擽った。背中に置かれていたエリックの手がいつの間にか腰を掴んでいる。硬くなったものを押し付けられ、その熱に思わず腰を引く。
「逃げるな」キスの合間に囁く。けっして高圧的ではなく、まるで懇願しているようだ。もしかして、僕を抱く気じゃないだろうね。
つづく
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エリックとの外出は予想外に楽しめた。もちろん目的があり、楽しむために出かけたわけではなかったが、それでも久しぶりにまともに食事もしたし、ゲームの腕も鈍っていなくてホッとした。
少し前にセシルが戻ってきていたのは、ドアの閉まる音で気付いた。彼も今夜は楽しめただろうか?僕と違って朗らかで友人も多いのだろう。こっちへ来てすぐに呼び出されるくらいだ。
といっても、別に羨ましくはないのだけど。
サミーは寝返りを打とうとして、物音に気付いた。部屋に誰か――
「いったいどうして僕の部屋に?ちょっ!なに――」相手が誰だか確かめる間もなく――確かめる必要などないが――上掛けがめくられ、冷たい空気とともにエリックがベッドに入ってきた。
「気にするな」
「なんだって君は僕のベッドの潜り込んでくるんだ?」昨日は結局のそのまま眠ってしまったが、彼は朝までここにいたのだろうか?気になるけど、確かめるような愚かな真似はしたくない。
「少し話をするだけだ、寝てろ」そう言ってエリックは昨夜と同じように背中に貼りついた。左腕を回し、しっかりと抱き寄せる。
サミーは諦めて脱力した。抵抗したってエリックは好きにする。すでに鼻先を首筋に擦りつけていて、そのうち勝手に吸い付くに違いない。
「今夜の事?君の目的は達成できたのかな?四人目は現れなかったけど」そもそも四人目が誰だかわからないのに、いたって気づくはずもない。
「まあ、牽制はできたんじゃないかな」
「牽制?デレクは何も気にしてなさそうだったけど?」
「でも、動きは見せていた」
確かにね。どうせ僕をうまく葬る作戦でも立てていたんだろうよ。まったく腹の立つ。なんだってデレクなんかに殺されなきゃならない。いや、殺すのはジュリエットか。ジュリエットはもしも僕と結婚したら、本当に僕を殺すだろうか?クリスの存在がそれを阻みそうな気もするが、煽られればやりそうでもある。
いっそ試しに結婚してみるか?条件を付けて――ああ、ダメだ。それだと僕は賭けに負けてしまうことになる。
会話が途切れ、エリックはその時を待っていたかのように耳の下の柔らかい場所に口づけた。そっと首筋を辿る。
「やめろと言わないのか?」囁き、また口づける。
「酔っているのか?」
「シャンパン一本で?」まさかという声。
「そのあとも飲んでいただろう」僕もあそこまで飲めたらどんなに楽しいだろうかと思う。
「帰ってからは飲んでいない。もういいから黙れ」
エリックはまわしていた腕を引き、サミーを自分の方に向かせた。もう一秒だって我慢できないというように荒っぽく口づける。唇を開かないという選択肢はなく、サミーは冷静さを失わないように別の何かを考えようとした。
確かにほんのり酒の味がするが、どちらかと言えばミントかな。それと身体から立ち上る石鹸の香りが鼻を擽った。背中に置かれていたエリックの手がいつの間にか腰を掴んでいる。硬くなったものを押し付けられ、その熱に思わず腰を引く。
「逃げるな」キスの合間に囁く。けっして高圧的ではなく、まるで懇願しているようだ。もしかして、僕を抱く気じゃないだろうね。
つづく
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