はじめまして。


BL小説を書いております、やぴと申します。
こちらは男同士の恋愛小説となっております。
ストーリーの関係上、性描写があります。
ご理解いただける方のみ、自己責任において閲覧ください。
実際は小説と呼べるほどのものでもなく、趣味で書いていますので、稚拙な文章ではありますが楽しく読んで頂けると幸いです。

コメントなど気軽に頂けると嬉しいです。
誹謗中傷などの心無いコメントは当方で削除させていただきます。ご了承下さい。

Sの可愛い子犬 最終話 [Sの可愛い子犬]

<S&J探偵事務所>

「おいっ!依頼が全然来ないけど、ちゃんと宣伝しているのか?」
「はい、各紙に『依頼承ります』と載せているんですけど」
「はぁー、持ち込まれる依頼はすべてアルフレッド様の紹介じゃないか……」
「はい……」

ロンドンのアパートの一室で最近毎日かわされる会話だ。
ステフとジョンは大学を卒業し、今はロンドンで探偵業をしている。
アルフレッドに勧められて弁護士の道も考えたのだが、二人で自由にやって行きたいという事で結局断った。しかし、その恩には報いたいと二人は思い、弁護士の下請けのような仕事もかねて、探偵という職を選んだのだ。
探偵と言っても、今の所はそんなにややこしいものではなく、アルフレッドが受けた依頼の対象人物の素行調査や、一般人ではなかなか踏み込めない場所への調査などを行っている。
それでも少しでも自立をしたいと思い、自分たちで仕事を探しているもののなかなか依頼は舞い込んでこない。

「ジョン、今日も暇そうだから、そばに来いよ」ステフは客用ソファに寝ころび、請求書に渋面を作っているジョンを誘う。

ジョンは溜息を吐いて請求書を事務机に置くとやれやれといった様子で立ち上がった。こんなことではいつまで経っても仕事は増えないと思いながらも、身体はすでに反応している。

「はい、ステフ様」なるべく平静を装って返事をする。あまりに嬉しそうにすると、ステフに酷い目に遭わされる。本当に容赦ないんだ。

「おいっ、もう様はいらないって言ったろ!ステフでいいんだ。ちゃんと呼ばないと、かわいがってやらないぞ」ステフは口の端をあげてにやりと笑ってみせる。

もう何年もずっとステフ様と呼び続けていたのに、事務所の共同経営者になった途端呼び方を変えろなんて言われても、そうすぐに切り替えられるものではない。

でも、そんな些細なことでステフは子供みたいに喜ぶから、つい言う通りにしてしまう。

「はい、ステフ」

ジョンはソファの隙間を見つけてそこに座ると、手を伸ばしステフの頬に触れた。顔を近づけキスを落とす。
唇が触れ合った瞬間から、ステフは決して手加減しない。執拗に絡みつき吸い尽くす。ジョンがそれを望んでいるとわかっているから。

燃え上がる二人がキスだけで終わるはずはなく、上下を入れ替えてステフがジョンに圧し掛かる。ジョンの手を取り昂った自身に触れるように導くと、ステフもジョンのズボンの中に手を入れた。

「濡れてるな」

「そ、そんなこと――」

「ないって言うのか?」

ステフの挑発的な視線にジョンはかすれ声で言い返した。「ステフだって……」

「だからどうした?お前の中に入りたがってるんだから仕方ないだろ」

そう言われてしまえば、何も言い返せない。ジョンもこれが欲しくて、ここが事務所だってこともどうでもよくなっている。それでも鍵を閉めに行こうとするだけの理性がジョンにはあった。が、ステフにはそんなものはない。

ステフの熱く硬く大きなものと一緒に握られ、ジョンは快感に喘いだ。硬いのに肌触りはなめらかで質量の違いに驚かされるが、これがいつも自分の中にぴったりと納まると思うと余計に興奮する。

「あっ、あっ、ステフ……そんなに一気にしたら……あん……だめ」

絶妙な力加減で扱かれ早くも達しそうだ。我慢しなきゃと思うのに腰が勝手に動いてしまう。

「もっと、その顔を見せろ。いつ見てもかわいいな」

意地悪く微笑むステフは、今にも達しそうなジョンがそれを堪える姿に欲情する。

「本当に……もう、限界……ステフお願い……」

「いいよ、その顔……俺ももうイキそうだ……ジョン、いやらしくキスして」

無理。キスなんてしたら、一秒だって我慢できない。

ジョンの躊躇いなどお構いなしでステフが唇を押し付けてきた。強引に舌を差し込み、ジョンの口内を我が物顔で蹂躙する。

ジョンのすべてを知り尽くすステフは何をすればジョンが喜ぶのか知っている。そしてどうすれば自分の大好きな顔を見せてくれるのかを。きっとステフは目を開けて僕の顔をうっとりと眺めているはずだ。

薄目を開けてステフの顔を見返したかったけど、その前に限界が来てしまった。身体中が震え、あまりの快感にジョンは悲鳴をあげそうになった。きっと口を塞がれていなかったら通りまで聞こえるほどの叫び声をあげていただろう。

瞬間的にステフがジョンをぐっと抱き締めた。「ジョン――ッ」先に達したジョンの上でステフも脈打ち熱いものをほとばしらせた。

二人は抱き合ったまま、わずかな脱力感と身体中に次々と湧き上がる高揚感と余韻に浸った。

「ジョン、また俺より先にイったな……たっぷりお仕置きしてやるからな」

結局そのまま二人は上階の寝室へと向かい、今日も開店休業だ。

――S&J探偵事務所
どんな小さなことでも、困った事があればご依頼ください。承ります。

おわり


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