はじめまして。


BL小説を書いております、やぴと申します。
こちらは男同士の恋愛小説となっております。
ストーリーの関係上、性描写があります。
ご理解いただける方のみ、自己責任において閲覧ください。
実際は小説と呼べるほどのものでもなく、趣味で書いていますので、稚拙な文章ではありますが楽しく読んで頂けると幸いです。

コメントなど気軽に頂けると嬉しいです。
誹謗中傷などの心無いコメントは当方で削除させていただきます。ご了承下さい。

花嫁の秘密 366 [花嫁の秘密]

ジュリエットがいま何を考えているのか、サミーには手に取るように分かった。

僕は彼女の期待に応えるべきだろうか。それともエリックの言うように、もう手を引くべきか。今夜ジュリエットをホテルへ送り届けたら、しばらくは会わないつもりだ。少し前の計画でそう決めていたのに、もう少し引きつけておけと言ったのはエリックだ。それなのに今度はもう会うなと言う。結局僕は振り回されてばかりでこれといった成果も出せていない。

そしてあの若い男の登場。喜ぶべきなのだろうけど、お前は役立たずだとエリックに言われたような気分だ。

「サミュエル、シーズン中はずっとこっちにいるの?」ジュリエットの探るように問いかけに、サミーは物思いを中断した。

「ん、そうなるかな、おそらく」問題が片付くまで身動きが取れないのは、いったい誰のせいだと思っているのか。ジュリエットは自分のしたこと、していることを理解しているのだろうか?考えれば考えるほど腹が立ってくる。「クリスはしばらくこっちには出てこられないだろうから、僕が代わりをしないといけないし、向こうへ戻るのは結局シーズン後になるかな」

クリスの名前を口にした時、ジュリエットに緊張が走ったのがわかった。
なぜクリスが身動きできない状況になったのか尋ねてくるだろうか?もちろんジュリエットは理由を知っているはずだ。あれを贈ったのはジュリエットで間違いないのだから。

あんなことをして、よく平気で僕と付き合えたものだ。僕をいったい誰だと?

ダメだ。

目の前が暗い闇に囚われるかのように黒く染まっていく。これではジュリエットの反応を探るどころではない。いますぐにでも腕を振りほどき、お前のしたことはすべて知っていると言ってやりたい。

そうしてはいけない理由はなんだっただろうか。なぜこんな女を野放しにしておく?証拠が不十分だからとぐずぐずしている間に、次に血に染まるのはハンカチではなくアンジェラ自身かもしれないのに。

サミーはいつの間にか止めていた息を吐いた。ほんの数分前までの冷静さを少しでも取り戻さないと、これまでの行動がすべて意味のないものになってしまう。

確実に追い詰めるにはやはり証拠が必要だ。今シーズン、クリスとアンジェラはロジャーとアビーの為に社交行事をこなしていかなければならない。だからこそ、領地の問題を素早く片付けるためラムズデンへ行く。その間に僕とエリックが危険を取り除いておくと決めた。

遠くでジュリエットが何か言っているのが聞こえた。なんと言っている?

あと少しでエリックのいる場所へたどり着ける。そうしたら、もうすべてを任せてしまおう。

つづく


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