はじめまして。
BL小説を書いております、やぴと申します。
こちらは男同士の恋愛小説となっております。
ストーリーの関係上、性描写があります。
ご理解いただける方のみ、自己責任において閲覧ください。
実際は小説と呼べるほどのものでもなく、趣味で書いていますので、稚拙な文章ではありますが楽しく読んで頂けると幸いです。
コメントなど気軽に頂けると嬉しいです。
誹謗中傷などの心無いコメントは当方で削除させていただきます。ご了承下さい。
ヒナの縁結び 6 [ヒナの縁結び]
ジェームズに怒られてすっかりしょげたヒナは、裸になってベッドにもぐり込んだ。
ぐすぐすと鼻をすすり、身体を丸める。心細いのはジャスティンがいないからではなく、自分の存在が否定されたような気がしたからだ。
普段のヒナは自分の行動に疑問を抱くことはないが、よかれと思ってしたことを全否定され、どうしたらいいのかわからなくなってしまった。
ほどなくして、ダンが部屋にやって来た。
ヒナが不貞寝をしているのを見ても容赦はない。上掛けを剥ぎ取り、ヒナを転がす。裸なのはちょうどいいとばかりにベッドの端に座らせて、シャツに袖を通す。
ダンはあえて何も訊こうとしないので、ヒナの方から口を開いた。
「ねぇ、ダン」
「なんです?」ダンは訊き返しながら、小さくてつるつる滑るボタンを苦もなく留めていく。
ヒナはダンの手元に目を落としぼそぼそと言った。「さっきジャムに怒られた」
「ええ、聞いていますよ。あれはウェインが完全に悪い。例えが悪すぎます」ダンはヒナのことなら何でも知っていますよと、さらりと返す。
「ヒナがおせっかいするのは悪くない?」誰でもいい、味方が欲しかった。それがダンなら言う事なしだ。二人の絆は二人が考えている以上に強いのだ。
「んー、まあ、どうでしょうね。ヒナがいくら頑張っても、ウェインは鈍感だからなぁ。いくらカイルが好きだって伝えても理解出来ないんじゃないかな?」
ダンがはいと下穿きを手渡す。ヒナは受け取ると、座ったままもぞもぞと穿いた。ついでにズボンも穿く。
「ダンはブルゥと両思いで良かったね」しかももうすぐ会える。
「ちょっ、ヒナ、誰かに聞かれたらどうするんですか」ダンは顔を赤くして、背後のドアを見やった。
「平気だよ。ヒナ、いまひとりぼっちだから」今のヒナは、気分が落ち込んでいるせいで自虐的になっている。
「何言っているんですか。僕がいるでしょう?」ダンは靴下を手に跪き、ヒナを見上げる。「ほら、足を出してください」
ヒナはベッドに両手を着き、両方のつま先を差し出した。
「ダンはずっとヒナと一緒にいてくれる?」
「どうしたんです?もちろんそのつもりですよ。旦那様がヒナのために新しい人を雇ったりしない限りはね」
「新しい人なんかいらないってジュスにお願いする」
「今のは例え話ですよ。でも、もしもそういう話が出たら、ヒナは全力で反対してくださいね」
「うん!全力で頑張る!」
「ところで、そこにあるぼろぼろのクッキーは何です?」ダンがベッド脇のテーブルに目を向ける。
「夜食」ヒナはむっつりと言い返した。ジェームズに何も言い返せず、悔し紛れに鷲掴んだクッキーだ。
「夜食なら、シモンがちゃんと用意していますよ」ダンはやれやれと首を振って、ヒナを鏡の前に座らせた。
今夜は上着の色に合わせてワインレッドのリボン。うなじでひとまとめにするスタイルだ。いい感じに決まった髪をジャスティンに見せられないのが、とても残念だった。
つづく
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ぐすぐすと鼻をすすり、身体を丸める。心細いのはジャスティンがいないからではなく、自分の存在が否定されたような気がしたからだ。
普段のヒナは自分の行動に疑問を抱くことはないが、よかれと思ってしたことを全否定され、どうしたらいいのかわからなくなってしまった。
ほどなくして、ダンが部屋にやって来た。
ヒナが不貞寝をしているのを見ても容赦はない。上掛けを剥ぎ取り、ヒナを転がす。裸なのはちょうどいいとばかりにベッドの端に座らせて、シャツに袖を通す。
ダンはあえて何も訊こうとしないので、ヒナの方から口を開いた。
「ねぇ、ダン」
「なんです?」ダンは訊き返しながら、小さくてつるつる滑るボタンを苦もなく留めていく。
ヒナはダンの手元に目を落としぼそぼそと言った。「さっきジャムに怒られた」
「ええ、聞いていますよ。あれはウェインが完全に悪い。例えが悪すぎます」ダンはヒナのことなら何でも知っていますよと、さらりと返す。
「ヒナがおせっかいするのは悪くない?」誰でもいい、味方が欲しかった。それがダンなら言う事なしだ。二人の絆は二人が考えている以上に強いのだ。
「んー、まあ、どうでしょうね。ヒナがいくら頑張っても、ウェインは鈍感だからなぁ。いくらカイルが好きだって伝えても理解出来ないんじゃないかな?」
ダンがはいと下穿きを手渡す。ヒナは受け取ると、座ったままもぞもぞと穿いた。ついでにズボンも穿く。
「ダンはブルゥと両思いで良かったね」しかももうすぐ会える。
「ちょっ、ヒナ、誰かに聞かれたらどうするんですか」ダンは顔を赤くして、背後のドアを見やった。
「平気だよ。ヒナ、いまひとりぼっちだから」今のヒナは、気分が落ち込んでいるせいで自虐的になっている。
「何言っているんですか。僕がいるでしょう?」ダンは靴下を手に跪き、ヒナを見上げる。「ほら、足を出してください」
ヒナはベッドに両手を着き、両方のつま先を差し出した。
「ダンはずっとヒナと一緒にいてくれる?」
「どうしたんです?もちろんそのつもりですよ。旦那様がヒナのために新しい人を雇ったりしない限りはね」
「新しい人なんかいらないってジュスにお願いする」
「今のは例え話ですよ。でも、もしもそういう話が出たら、ヒナは全力で反対してくださいね」
「うん!全力で頑張る!」
「ところで、そこにあるぼろぼろのクッキーは何です?」ダンがベッド脇のテーブルに目を向ける。
「夜食」ヒナはむっつりと言い返した。ジェームズに何も言い返せず、悔し紛れに鷲掴んだクッキーだ。
「夜食なら、シモンがちゃんと用意していますよ」ダンはやれやれと首を振って、ヒナを鏡の前に座らせた。
今夜は上着の色に合わせてワインレッドのリボン。うなじでひとまとめにするスタイルだ。いい感じに決まった髪をジャスティンに見せられないのが、とても残念だった。
つづく
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2017-01-17 00:24
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