はじめまして。
BL小説を書いております、やぴと申します。
こちらは男同士の恋愛小説となっております。
ストーリーの関係上、性描写があります。
ご理解いただける方のみ、自己責任において閲覧ください。
実際は小説と呼べるほどのものでもなく、趣味で書いていますので、稚拙な文章ではありますが楽しく読んで頂けると幸いです。
コメントなど気軽に頂けると嬉しいです。
誹謗中傷などの心無いコメントは当方で削除させていただきます。ご了承下さい。
ヒナの縁結び 4 [ヒナの縁結び]
ウェインは一度終えた休憩を再会する羽目になった。
おやつの残りをテーブルに出して、りんごジュースを用意する。
ヒナは答えをせっつくように、かわいらしい瞳を飴玉のようにきらきらさせている。こんな目で僕を見ていると旦那様が知ったら、きっと僕の目は潰されてしまうだろう。
そもそも、なぜヒナは僕の恋の話に興味が湧いたのだろうか?旦那様から何か聞いた?
「ヒナが何を知りたいのか分からないけど、今の僕は誰かを好きになっている暇なんてないんだ」
ヒナは手に付いたクッキーかすを払って、グラスを手にした。「ヒナだって忙しいけど、ジュスのこと好き」
いやいや、絶対暇でしょ。そう思ったが、口には出さなかった。
「それは相手が旦那様だからだよ。たとえばさ、旦那様が僕を必要としているときに、僕が花屋の女の子とイチャイチャしてたら困るでしょ」
「エヴィがいるよ」
ぐふッ!ヒナってば、僕の心をズタズタにする気?
「エヴァンは一時的に旦那様にお仕えしているだけ。旦那様は僕のものなんだから」
「ヒナのものだもん!」ヒナはいきり立って、グラスをテーブルに叩きつけるように置いた。
「いや、まあ、そうだけど。そういう意味じゃなくてさ……」ってヒナに説明しても無理か。「だいいち、僕を好きになってくれる人なんていないよ」
この仕事をしていると、出会いはほとんどない。もちろん、花屋の女の子と話したこともない。他のお屋敷の使用人と交流はあるけど、うちはまたちょっと特別だからなぁ……。
「ねぇ、もしも、ヒナがウェインのこと好きってゆったらどーする?」
ヒナが冗談で口にするには、あまりに恐ろしいことを口にした。しかもにこにこ顔で。
ウェインは震え上がった。これは何かの罠なのか?
「そのもしもの話だけど、正解はあるのかな?」
「あるよ」
ぐッ。まさか!すぐ外で旦那様が立ち聞きしているとかないよね?つかの間耳を澄ませるが、この時間にしては静かなものだった。
「嬉しいけど、ヒナは旦那様のものだから、僕は辞退するよ」おそらくこれが正解だ。
「じゃあ、カイルがゆったら?」
カイル?僕のことを兄みたいに慕ってくれてるカイル?ずっと一緒にいたいなと言ってくれたカイル?
うーん。悩むなぁ。
「とても嬉しいよ」けど、好きの意味はヒナが思うのとは違うはず。
「チューできる?」
考えるまでもなく即答だ。「できないよッ!」
「そうなの?どうして?」ヒナは甘ったるい声を出し、ふと思い出したようにグラスを手に取った。
そう言われたら、どうしてだろう?ヒナとしたら旦那様に殺されるし、カイルとしたらあの冷酷な兄たちに殺されるだろう。
ウェインはそんな危険を冒したりはしない。それがウェインなりの処世術で、だからこそ今この地位にいる。ずうずうしいが、わきまえるところはわきまえる。
「そ、それじゃあさ、ヒナはジェームズとキスできる?ジェームズがしたいって言ったらどうする?」訊いた途端、ヒナは口に含んでいたりんごジュースを噴き出した。
「やだ。できない」口からだらだらとジュースをこぼしながら答える。
「ほらね」ウェインは勝ち誇ったように顎先をあげた。ふふんと得意げになったところで、ヒナの背後の人影に気付いた。
ヒィィィィィッ!!!!ま、まずい。
「わたしが誰に何をしたいだって?」
どこから聞いていたのか、ジェームズの表情はこれまでウェインが目にしたことのない恐ろしいものだった。
つづく
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おやつの残りをテーブルに出して、りんごジュースを用意する。
ヒナは答えをせっつくように、かわいらしい瞳を飴玉のようにきらきらさせている。こんな目で僕を見ていると旦那様が知ったら、きっと僕の目は潰されてしまうだろう。
そもそも、なぜヒナは僕の恋の話に興味が湧いたのだろうか?旦那様から何か聞いた?
「ヒナが何を知りたいのか分からないけど、今の僕は誰かを好きになっている暇なんてないんだ」
ヒナは手に付いたクッキーかすを払って、グラスを手にした。「ヒナだって忙しいけど、ジュスのこと好き」
いやいや、絶対暇でしょ。そう思ったが、口には出さなかった。
「それは相手が旦那様だからだよ。たとえばさ、旦那様が僕を必要としているときに、僕が花屋の女の子とイチャイチャしてたら困るでしょ」
「エヴィがいるよ」
ぐふッ!ヒナってば、僕の心をズタズタにする気?
「エヴァンは一時的に旦那様にお仕えしているだけ。旦那様は僕のものなんだから」
「ヒナのものだもん!」ヒナはいきり立って、グラスをテーブルに叩きつけるように置いた。
「いや、まあ、そうだけど。そういう意味じゃなくてさ……」ってヒナに説明しても無理か。「だいいち、僕を好きになってくれる人なんていないよ」
この仕事をしていると、出会いはほとんどない。もちろん、花屋の女の子と話したこともない。他のお屋敷の使用人と交流はあるけど、うちはまたちょっと特別だからなぁ……。
「ねぇ、もしも、ヒナがウェインのこと好きってゆったらどーする?」
ヒナが冗談で口にするには、あまりに恐ろしいことを口にした。しかもにこにこ顔で。
ウェインは震え上がった。これは何かの罠なのか?
「そのもしもの話だけど、正解はあるのかな?」
「あるよ」
ぐッ。まさか!すぐ外で旦那様が立ち聞きしているとかないよね?つかの間耳を澄ませるが、この時間にしては静かなものだった。
「嬉しいけど、ヒナは旦那様のものだから、僕は辞退するよ」おそらくこれが正解だ。
「じゃあ、カイルがゆったら?」
カイル?僕のことを兄みたいに慕ってくれてるカイル?ずっと一緒にいたいなと言ってくれたカイル?
うーん。悩むなぁ。
「とても嬉しいよ」けど、好きの意味はヒナが思うのとは違うはず。
「チューできる?」
考えるまでもなく即答だ。「できないよッ!」
「そうなの?どうして?」ヒナは甘ったるい声を出し、ふと思い出したようにグラスを手に取った。
そう言われたら、どうしてだろう?ヒナとしたら旦那様に殺されるし、カイルとしたらあの冷酷な兄たちに殺されるだろう。
ウェインはそんな危険を冒したりはしない。それがウェインなりの処世術で、だからこそ今この地位にいる。ずうずうしいが、わきまえるところはわきまえる。
「そ、それじゃあさ、ヒナはジェームズとキスできる?ジェームズがしたいって言ったらどうする?」訊いた途端、ヒナは口に含んでいたりんごジュースを噴き出した。
「やだ。できない」口からだらだらとジュースをこぼしながら答える。
「ほらね」ウェインは勝ち誇ったように顎先をあげた。ふふんと得意げになったところで、ヒナの背後の人影に気付いた。
ヒィィィィィッ!!!!ま、まずい。
「わたしが誰に何をしたいだって?」
どこから聞いていたのか、ジェームズの表情はこれまでウェインが目にしたことのない恐ろしいものだった。
つづく
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2017-01-14 23:54
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