はじめまして。


BL小説を書いております、やぴと申します。
こちらは男同士の恋愛小説となっております。
ストーリーの関係上、性描写があります。
ご理解いただける方のみ、自己責任において閲覧ください。
実際は小説と呼べるほどのものでもなく、趣味で書いていますので、稚拙な文章ではありますが楽しく読んで頂けると幸いです。

コメントなど気軽に頂けると嬉しいです。
誹謗中傷などの心無いコメントは当方で削除させていただきます。ご了承下さい。

裏・花嫁の秘密 1-6 [裏・花嫁の秘密]

エリックは様々な感情と戦っていた。
快楽に溺れないように自制心を働かせ、サミーを傷つけたメイフィールド卿への怒りも抑えつけた。

けれど抑えきれない感情がひとつだけあった。心地よくその身を包まれながら感じていたのは、紛れもなく嫉妬だった。

エリックはサミーの背の傷跡を見ながら思わず奥歯を噛みしめた。

この傷に指先で触れ、唇を寄せ愛撫した者が他にもいると思うと激しい嫉妬に襲われる。こんな感情初めてだった。今まで誰にも嫉妬などした事がなかった。しかも今は過去の相手に対して、そんな無駄な感情を抱いているのだ。

舌を大きく出しその背にしゃぶりつく。この男のすべてはもう俺のものだ。

「んんっ…ぁ…っ」

傷の敏感になっている部分に触れたようだ。大きく背を撓らせ、尻をこすりつけてきた。
その一方で、サミーはきっと腕の傷の事は忘れている。その痛みさえも今は感じないようだ。

エリックはサミーの腕を庇うように、左半身に羽根枕を滑り込ませ、そのまま腰を両手でしっかりと掴んだ。腰を高く持ち上げ、更に奥深くまで自身を挿し込んだ。

サミーは圧迫感に小さく呻いたが、扱いは心得ているとばかりに内壁をリズミカルに動かす。

このままこの中でいきたい。

エリックはサミーの肉棒を掴んだ。女の味も知っている硬く張りつめたサミーの分身。ここも、もう俺のものだ。もう、二度と、女を抱けなくしてやる。

満足するのは俺に抱かれた時だけだと、身体に刻み付ける。

「エリック…そんなにしたら……」

「いきたいのか?まだだめだ」

「もう、何度もそう言っている――早く……」
シーツを掴み身悶えするサミーを見て、限界はこっちの方だと、わざとゆっくりと腰を揺り動かす。手を動かすのをやめると、より一層サミーが身体を擦りつけエリックを求める。そうやって何度も焦らし続けてきたが、いよいよエリック自身が我慢の限界だった。

今すぐ動きを止め、孔内から自身を引き抜いたとしてもその流れに逆らう事が出来そうになかった。
エリックは内心毒づき舌打ちをした。

サミーのものを再び強く握りしめると、根元から先へと絶妙な力加減で扱き始めた。エリックに残された自制心はそれが限界だった。自らはやみくも腰を打ちつけ、ただ頂上へ登りつめようとしている。肌がぶつかり合う音が荒い息遣いと混じり、あまりにも淫らだった。

「サミー、いけっ」
まるで何かの合図のように、サミーは嬌声をあげた。
その声こそが聞きたかったと、エリックは満足げにサミーの中へ精をほとばしらせた。

二人が登り詰めた瞬間、サミーの撓る背に翼が見えた気がした。
引き攣れた傷が片翼をかたどっている。

片方は生まれ落ちたその時、父親によってもぎとられてしまったのだ。
エリックはそのもぎ取られた翼になってやりたいと思った。すべてを奪われたサミーにそれ以上のものを与えてやりたい。

一人の男に溺れるような、間抜けな奴に成り下がったと、エリックは失笑しながらサミーの背をぎゅっと抱きしめた。

つづく


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