はじめまして。


BL小説を書いております、やぴと申します。
こちらは男同士の恋愛小説となっております。
ストーリーの関係上、性描写があります。
ご理解いただける方のみ、自己責任において閲覧ください。
実際は小説と呼べるほどのものでもなく、趣味で書いていますので、稚拙な文章ではありますが楽しく読んで頂けると幸いです。

コメントなど気軽に頂けると嬉しいです。
誹謗中傷などの心無いコメントは当方で削除させていただきます。ご了承下さい。

ヒナおうちに帰る 4 [ヒナおうちに帰る]

いったい何を言うのかと思えば――

「お黙りなさい。そうしょっちゅう好きだの何だのと口には出来ません。そもそもあなたを満足させることなど出来やしないんです。あなたの身体を知り尽くした男たちに適うはずないんです」ジェームズは苛立たしげに、強い口調で言い返した。

僕はクラムやダドリーのようにはパーシヴァルを抱けない。そうしろと言われたとしても無理だ。経験不足を愛されていないなどと言われて、プライドをズタズタにされて、“僕ばかり好きなのは嫌だ”だと?

「馬鹿なこと言うなっ!ジェームズは他の誰より、僕を満足させる。僕だってジェームズを満足させていると思いたい。けど、君が望む相手は僕ではないんだろう?いや、いい!今もし、君がジャスティンの名前を口にしたら、僕は自分の舌を噛み切って死んでやるからな」パーシヴァルは憤然と言い、突き出した舌を噛む真似をした。

ジェームズは長い溜息を吐いた。常々パーシヴァルを扱い難いと思ってはいるが、今この時ほど強く思ったことはない。

ジャスティン?まったく、くだらないことを言う。パーシヴァルの脳味噌は記憶を塗り替えるという作業をしないのか?過去へのこだわりはいい結果を生まない。無駄に胸が痛むだけだ。

おかげでムキになって、廊下で言い合うべきではないことを言い合ってしまった。パーシヴァルが相手では、つい自分を見失ってしまう。

「お願いですから、困らせないでください」ジェームズは弱り切った態度でパーシヴァルに迫った。彼を宥めるのは案外簡単だ。こうして抱きしめればいい。

ジェームズはパーシヴァルの腕を軽く引いて抱き寄せた。廊下の真ん中だが、気にすることはない。今のここには自分たちしかいないという確信がある。

パーシヴァルはまったく抵抗せず、ジェームズの腕の中に収まった。首筋に顔を埋め、今にも舌を出してそこを舐めそうだ。下手に反応すればパーシヴァルがそうしかねないことを知っているので、ジェームズは耳に唇を微かに触れさせそっと囁いた。「続きは、今夜」

パーシヴァルが息をのんだ。興奮で身体が熱くなっていくのがわかる。分かりやすい反応にジェームズの顔が綻ぶ。

「約束だぞ」と声を震わせるパーシヴァル。色恋に関して熟練しているようで、まるっきり初恋の人を相手にしているような態度。こういうところが、ジェームズの心を揺さぶる。

だが、ジェームズは喧嘩を売られた。パーシヴァルはわざわざジャスティンの名前を出し、ジェームズの感情を煽った。簡単には許すものか。

今夜は眠らせないから、覚悟しておくことだ。

つづく


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