はじめまして。


BL小説を書いております、やぴと申します。
こちらは男同士の恋愛小説となっております。
ストーリーの関係上、性描写があります。
ご理解いただける方のみ、自己責任において閲覧ください。
実際は小説と呼べるほどのものでもなく、趣味で書いていますので、稚拙な文章ではありますが楽しく読んで頂けると幸いです。

コメントなど気軽に頂けると嬉しいです。
誹謗中傷などの心無いコメントは当方で削除させていただきます。ご了承下さい。

ヒナおうちに帰る 3 [ヒナおうちに帰る]

パーシヴァルはぷらぷらと居間に向かう。ようやく騒々しい日常が戻ってきたことに顔をほころばせ、しばらく落ち着かない様子だったジェームズが落ち着きを取り戻したことに顔をしかめた。

ジャスティンの帰宅が決まるや否や――いや、ヒナの帰宅と言うべきか――ジェームズの顔に生気が戻った。僕とだって一週間以上会えなかったのに、出掛ける前と帰った後とで態度に変化はなかった。

つまりは、いつものように冷たいってこと。そこがまた好きなんだけど。

あえて考えないようにしていた疑念が、再びパーシヴァルの脳裏に浮かび上がる。

“やっぱりジャスティン?”

付き合うにあたって、ジェームズはこれを完全に否定したけど、正直なところ信じ切れずにいる。愛する人を信じられないなんてあってはならないことだけれど、そう考えれば合点がいく。

ジャスティンがいないから、気もそぞろにしか僕を愛してくれなかったのだ。僕はジェームズと愛し合うときは、ジェームズのことしか考えていないのに。

切ないったらない。あとでヒナに相談してみようかな。もしかしたらジェームズにチクリと言ってくれるかもしれない。僕が言ったって、ジェームズは聞く耳を持ってくれないだろうし。

「まったく!」パーシヴァルは思わず不満を吐き出した。

「なんです?ヒナが戻ってきたのに、あなたの機嫌はまだ直らないのですか?」

脇から突然声を掛けられ、パーシヴァルは飛び上がった。相手を確かめなくとも、愛しい人だということは言わずもがな。

「ジェームズ!な、なんだよ、いるならいるって言ってくれたっていいのに」図らずも驚いてしまったパーシヴァルは、機嫌が悪いのはそっちじゃないかと拗ねた視線を送る。

「たった今、上がってきたところです。そうしたらあなたがブツブツと」ジェームズは美しい眉間に皴を寄せた。

「仕方がないだろう。僕は、ひどく欲求不満なんだ。誰かさんが適当にしか愛してくれないから」パーシヴァルは手を後ろ手に組み、もじもじと身体を揺すった。ジェームズを目の前にすると、身体が火照って手が付けられなくなる。もちろん鎮められるのはジェームズだけ。

「何を言っているんです?」ジェームズは眉をつり上げた。「わたしが相手では不満ということですか?そもそも、こういう話は廊下ですべきことではありません」

「誰が不満だなんて言った?僕ばかり好きなのは不公平だって言っているんだ」パーシヴァルは駄々っ子のようにイヤイヤと首を振った。

もういろいろ我慢の限界だ。僕はジェームズに愛されたい!

つづく


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