はじめまして。


BL小説を書いております、やぴと申します。
こちらは男同士の恋愛小説となっております。
ストーリーの関係上、性描写があります。
ご理解いただける方のみ、自己責任において閲覧ください。
実際は小説と呼べるほどのものでもなく、趣味で書いていますので、稚拙な文章ではありますが楽しく読んで頂けると幸いです。

コメントなど気軽に頂けると嬉しいです。
誹謗中傷などの心無いコメントは当方で削除させていただきます。ご了承下さい。

ヒナおうちに帰る 2 [ヒナおうちに帰る]

ヒナはお土産を抱え、意気揚々と田舎から帰ってきた。

バーンズ邸前の石畳に車輪のがたがたという音が響き始めるや否や、屋敷の使用人という使用人が玄関広間に居並んだ。門前で出迎えるのはドアマンの他は、ジェームズとホームズのみ。玄関ポーチでごちゃごちゃとされては迷惑というわけだ。

窓辺で様子を見ていたパーシヴァルは、チョコレート色の上着を着たヒナが地面に降り立って、ようやく部屋を出た。

「誰も彼もが浮かれちゃってさ」と、ひとりごちる。

そういうパーシヴァルも浮かれていた。今回のことではパーシーおじさんもかなり尽力した。最後の一手はグラフトン公爵によるものだったが、おじさんの存在なくして、ヒナの目的は達し得なかっただろう。

パーシヴァルが得意満面で玄関広間に到着した時には、使用人たちはその身分に相応しく姿を消していた。出迎えは無事済んだようだ。

「おかえり、ヒナ」パーシヴァルはヒナに向かって両手を広げたが、汚い布袋を胸に抱えているのを見て、広げた手をそっと閉じた。

「ただいま、パーシー。これお土産」ヒナは汚い袋を差し出した。

「お土産?いいのに、別に、そんな、気を使わなくても」パーシヴァルは両腕を突き出し、どうにか目の前の袋を受け取らずに済む方法がないかと頭を巡らす。

「途中で、いいの見つけたから」ヒナは得意満面。

見つけた?それだけで、中身がパーシヴァルの望むものではないということがわかる。さて、どうしてものか。さっきからずっと全身黒ずくめのジャスティンが睨みを利かせているし、もしも受け取らなければ、ここを追い出す気であることは間違いなしだ。ここはもう、僕のものも同然なのに。

「エヴァン、ヒナの素敵なお土産を僕の部屋に」さりげなく柱の陰にいたエヴァンに声を掛ける。

エヴァンはすべるようにして柱の陰から進み出ると、四の五の言わずに、ヒナから袋を受け取った。そしてあろうことか、無遠慮にもこちらをひと睨みした。

「エヴィにもあるからね」ヒナはエヴァンが羨ましがっていると思ったようだ。とんだ勘違いである。

「光栄でございます」エヴァンは心の底から感謝の念を述べた。

「ところでヒナ、カイルは一緒じゃなかったのかい?」パーシヴァルは閉じられた玄関扉に目を向ける。てっきりルーク・バターフィールドも一緒かと思ったが、彼は彼の役目を果たすべく、まっすぐ事務所に向かったようだ。

「おじさんのとこ。あとでくるって」ヒナがうきうきと言う。友達と暮らすのは初めてだから当然だろう。

「おじさんは近くに住んでいるのかい?」

「えっと……」ヒナは困ってジャスティンを見た。なにせこの辺の地理にはまったくと言っていいほど精通していない。目の前の通りが何という名前かすら知らないのだ。

「カイルのおじさんの話はあとにしないか。まずは着替えだ」これまでずっと無視されていたジャスティンは不機嫌に言い、ヒナの頭にちょこんと乗る帽子を取って帽子掛けに掛けた。

「どうぞどうぞ。お茶の支度をするように言っておくから」パーシヴァルは愛想よく返した。すでにホームズがキッチンに司令を送っているだろう。

「パーシーまたあとでね」ヒナは陽気に言って、ジャスティンと手をつないで階段を上がっていった。

とうとうヒナが帰ってきたぞ。

つづく


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あとがき
こんばんは、やぴです。
ヒナが戻ってきました。
とはいえ、すぐにおじいちゃんに会いには行けません。
やきもきするヒナ、引退宣言のジャスティン、新しくクラブのオーナーになったジェームズ、そして居候のパーシヴァル。田舎からロス兄弟もやってきて、またドタバタとしそうです。 

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