はじめまして。


BL小説を書いております、やぴと申します。
こちらは男同士の恋愛小説となっております。
ストーリーの関係上、性描写があります。
ご理解いただける方のみ、自己責任において閲覧ください。
実際は小説と呼べるほどのものでもなく、趣味で書いていますので、稚拙な文章ではありますが楽しく読んで頂けると幸いです。

コメントなど気軽に頂けると嬉しいです。
誹謗中傷などの心無いコメントは当方で削除させていただきます。ご了承下さい。

裏・花嫁の秘密 1-2 [裏・花嫁の秘密]

傷を庇うように浴槽のふちに左腕をのせ湯船にしっかりと浸かった。
ぐるぐると目が回る。
急速に酔いが回るのを感じ、サミーはこのまま湯船に沈んでしまえばいいと思った。
楽になりたい。

だが結局は、湯船からあがりタオルで肌の表面に残る水分を残らず拭き取った。傍にあった木製の椅子におかれたガウンを羽織り、元の部屋へ戻った。

部屋へ戻ると、当たり前のようにエリックが待っていた。

「もしかして、僕を抱こうとでもしているのか?」
熱い湯で頬を上気させたサミーは無防備な猫のように懐っこくエリックに近寄る。

「抱かせてくれるのか?」
真面目に訊き返すエリックの手には、新しいガーゼと包帯が握られていた。

サミーは黙って、エリックの前に立った。

「さっさと腕を出せ」
そう言って、エリックはガウンの腰ひもを解いた。

「何する!腕だけなら、ガウンを脱ぐ必要はないだろう」
サミーは焦り、ガウンの前をしっかりと合わせた。

「まさか、お前、実は女だとか言わないよな」笑いを堪えながら言う。

「そうだと言ったら?」
同じように笑いを堪えるが、ついぷっと吹き出してしまった。

「尚更脱がせたいね」
エリックはサミーをベッドの端に座らせると、袖をまくり腕に清潔なガーゼを当て包帯を巻いた。
その間サミーは、エリックの手際をじっくりと眺めていた。

どうしてこいつはこんなにも何事においても手際がいいのだろうか?すべてが用意周到で恐ろしささえ感じる。

「さて、ご褒美をもらおうか?」
ガウンの袖をおろしながら、エリックは顔を近づけて来た。

また、キスをされるのだろうか。エリックとのキスは、ロゼッタ夫人の晩餐会以来だっただろうか。そういえばあの時も酔っていた。

こんなふうにキス一つを記憶している自分に驚く。そうしている間に、エリックの唇が重なった。最初はいたずらに戯れるように軽く。そのうち舌先で唇の隙間を擽り、厚かましくも侵入してきた。

厚かましいと思っているのに、身体が裏腹に熱く反応している。きっと酒のせいだ。
だが、エリックのキスは、何というか、以前と全く違って、心地いい。

この感触、最近味わった気がする。
けれど、よく思い出せなかった。

エリックのキスが最初に比べ激しくなってきた。
ついていけない。

サミーは息継ぎをするように、顔を逸らした。
エリックはサミーの頭を抱えるようにして、もう一度口づけて来た。

二度も許した覚えはない。

サミーは抵抗しようと、腕をあげたが、それがかえってエリックに身体を抱き込ませる隙を与えてしまった。

つづく


前へ<< >>次へ
 

よろしければこちらをぽちっとお願いします。
  ↓
にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
にほんブログ村


web拍手 by FC2


nice!(0) 

nice! 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。