はじめまして。


BL小説を書いております、やぴと申します。
こちらは男同士の恋愛小説となっております。
ストーリーの関係上、性描写があります。
ご理解いただける方のみ、自己責任において閲覧ください。
実際は小説と呼べるほどのものでもなく、趣味で書いていますので、稚拙な文章ではありますが楽しく読んで頂けると幸いです。

コメントなど気軽に頂けると嬉しいです。
誹謗中傷などの心無いコメントは当方で削除させていただきます。ご了承下さい。

裏・花嫁の秘密 1-1 [裏・花嫁の秘密]

本編160話の続き、別視点



こういう屋敷の例にたがわず、中央には玄関広間そして階段がある。
小さな屋敷の為、階段は半円を描く様にカーブしている。
サミーは階段をあがり、無意識にアンジェラのいる部屋とは反対方向へ向かう。そうすれば、そちらはおのずと屋敷の主人の部屋がある。

サミーはおそらくエリックの寝室の扉を開けた。左右に続き部屋があり、珍しく二階にバスルームが備え付けられているようだ。

とにかく横になりたかった。
アルコールには弱いと知っているくせに、エリックはなんだかんだ言いながら飲ませる。
酔って、アンジェラの事を忘れろという意味なのだろう。
そんな事で忘れられるのならば、忘れたい。

サミーはベッドに横になった。

先ほどエリックが言った言葉が頭の中をぐるぐると回っている。

『愛する夫に――』

それは自分ではない。どうして、自分ではなくクリスなのだろうか。どうしてすべてクリスのものなのだろうか。
何もいらないから、アンジェラだけ僕にくれないだろうか。

サミーは目を閉じた。

こんな気持ちのまま一生を過ごすのだろうか。僕は、アンジェラのいない世界へ行くべきなのだろうか。

酔っている時はどうしても、気持ちがマイナス方向へ向く。
だから、酒は飲みたくないのだ。

ここのバスルームはすぐにお湯が出るのだろうか。
酔いを醒ますためにもシャワーを浴びたい。その前にシャワーは完備されているのだろうか。

サミーはゆっくりと起き上がった。傍の椅子にエリックが座っていた。

「悪趣味だな。いるならいるって言えよ」

「何か考え事でもしてるのかと思ったから、時間をやったのさ」

「シャワーは備え付けてあるのかと考えていたのさ」

「だと思った」
エリックがふふっと笑い、立ち上がる。バスルームへつづく扉を開け、「準備は出来ている」と得意げに言った。

サミーはベッドの淵へ腰かけ慎重に足を絨毯へおろす。このまま立ち上がってもふらつかないだろうかと、今更格好の悪い姿を晒す事を気にする自分に苦笑する。

「だが、シャワーはだめだ。傷に触る」
エリックが再び傍までやってきた。

「子供じゃないんだ、かまわないでくれ」
年下のくせにいちいち僕を子ども扱いする。サミーは差し出された手を振り払い立ち上がった。

足元がほんの少しふらりと揺れた。
それを見たエリックが、ほら見ろとばかりにふふんと鼻を鳴らした。

つづく


>>次へ

あとがき
こんばんは、やぴです。
本編はしばしお休み。
サミーとエリック視点でお話は進みます。
とりあえず、傷ついたサミーは酔ってます。 

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