はじめまして。


BL小説を書いております、やぴと申します。
こちらは男同士の恋愛小説となっております。
ストーリーの関係上、性描写があります。
ご理解いただける方のみ、自己責任において閲覧ください。
実際は小説と呼べるほどのものでもなく、趣味で書いていますので、稚拙な文章ではありますが楽しく読んで頂けると幸いです。

コメントなど気軽に頂けると嬉しいです。
誹謗中傷などの心無いコメントは当方で削除させていただきます。ご了承下さい。

花嫁の秘密 番外編 結婚へのカウントダウン 2 [花嫁の秘密 番外編]

メイフィールド侯爵とラウンズベリー伯爵の妹レディ・アンジェラ・コートニー婚約!
結婚へ!!と大きく載っていた。しかも侯爵の写真入りで。
そのスクープを裏付ける証拠として、侯爵がレディ・アンジェラの住むヘイ・ウッドに幾度となく足を運んでいた事、更には、宝石類の購入、ウエディングドレス用のレースを注文したという事を掴んだ、などといろいろな事が書き連ねてあった。

「このままでは、コートニー家は醜聞に塗れてしまう」
ロジャーが当主としての危機感を口にした。

「そうだよ。そうなったら、母様に本当の事が分かってしまう」
セシルも続く。

「お母さまだけには知られたくないわ」
アンジェラも続いた。

ピンと張りつめた空気が漂う中、アンジェラの頭にある考えが浮かんだ。
それはロジャーもセシルも同じだった様で、マーサも含め全員が顔を見合わせ息を呑む。
そして、アンジェラが恐る恐る口にした。

「まさか、リックの仕業じゃないわよね……」
誰か否定してとみんなの顔色を伺う。

一呼吸おいて、セシルが何とか否定した。

「まさか、リックだってそこまではしないよ――きっと……」
何とも心もとない。

次男のエリックは自称ジャーナリストだ。
自称というだけあって、実態は分からないのだ。確かにそういう様な仕事をしている時もあるのだが、アンジェラよりも謎が多いといってもいい。

ひとまずエリック犯人説は置いておくことにして、話題を元に戻すことにした。

一体何の話だったかと頭を整え、セシルがとある提案をした。
「婚約期間を延ばして、世間の噂から逃れたところで、破棄するって言うのはどう?」

「セシル!そんなことしたら侯爵様がかわいそう」

「確かに、二,三年婚約期間があれば、そのまま自然消滅で何とかなるかもしれないな」
ロジャーは本気で考えていた。
婚約解消などざらにあるのだ。何とかなるかもしれないと、ロジャーはかすかな希望に縋り付くことにした。

しかし、そう思い通りにいかないのが現実で――


クリスマス休暇も終わり、セシルは学校へ戻り、ロジャーはロンドンへ出て行った。

「アンジェラ、今日も侯爵様からお手紙が来ているわよ」
ソフィアが読んで聞かせて欲しそうな顔で、アンジェラに手紙を渡した。

(もうっ!手紙は部屋に入れておいてって頼んでいたのに)
気が利かない執事にアンジェラは腹を立てつつ、「後で部屋で読むわ」と母に言った。

侯爵の手紙はいつも同じような内容だ。アンジェラの体を気遣う言葉、それと、結婚が待ち遠しいと言う言葉。
断らなければいけないという焦りと共に、純粋に待ち遠しいと思っている自分がいるのだ。
いけないって分かっているのに。
アンジェラは手紙をそっと胸に当て、侯爵の優しい笑顔を思い浮かべた。

つづく


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