はじめまして。
BL小説を書いております、やぴと申します。
こちらは男同士の恋愛小説となっております。
ストーリーの関係上、性描写があります。
ご理解いただける方のみ、自己責任において閲覧ください。
実際は小説と呼べるほどのものでもなく、趣味で書いていますので、稚拙な文章ではありますが楽しく読んで頂けると幸いです。
コメントなど気軽に頂けると嬉しいです。
誹謗中傷などの心無いコメントは当方で削除させていただきます。ご了承下さい。
妄想と暴走 8 [妄想と暴走]
とんだ食わせ者だ。
パーシヴァルはチャーリーをそう評価した。
さすが、ジェームズが雇っただけのことはあるが、顔を逸らしながらもずけずけと恋人が睦み合っている場所へ踏み込んでくるなど常人の成せる業ではない。たとえここが図書室だとしてもだ。だいたい、雇われたばかりの見習いが勝手に入ってくる場所ではない。
でもおかげでジェームズが場所を移しての続きに快く同意してくれた。シャツを軽く羽織っただけの破廉恥な姿はそうそう見られるものではない。階段を駆け上がる姿のなんと雄々しい事か!
パーシヴァルは足をもつらせながら、ジェームズのあとを追った。足がもつれるのはズボンがしっかりと上まであがっていないせいだ。
「パーシヴァルどこへ行く!」
パーシヴァルはのぼりきった階段を右手に、ジェームズは左の方へ向かっていた。
「え、あ、そっちか。てっきり、僕の部屋へ行くのかと」
「あんな広い部屋は落ち着かない」
ジェームズが拗ねたように言うものだから、パーシヴァルはついあやすような口調になる。
「でも、広いベッドの方がいいだろう?」
「広すぎる」
「二人なら、そうでもない」
ジェームズは納得しかねるといった様子だったが、時間を惜しむようにこちらへ大股でやって来た。肩に手を触れ、先を促す。二人はほとんど同時に部屋へ踏み込んだ。
ジェームズはシャツを脱ぎ捨て、不満げな顔つきでパーシヴァルの手から平らで四角い籠を奪い取った。チャーリーが持って来たショートブレッドだ。
「なぜこんなものを?」ジェームズはちょっと怒っているようだ。
「きっとあとでお腹が空くと思って」意味ありげな視線を向け、にこりと笑う。
僕たちがこれからどれだけ体力を消耗すると思っているんだ?ベッドから這い出ることさえままならない状態になるってのに、非常食も準備しておかないなんて、それはあまりに軽率だ。考えなしもいいところ。ベルを鳴らせばすぐに誰かがすっとんでくるけれど、誰も呼びたくなかった。もしかしたら、呼ばれたって誰も来ないかもしれない。
ジェームズは籠をベッドサイドの小さな台の上に置き、パーシヴァルを追い込むようにしてベッドに押し倒した。
パーシヴァルは歓喜した。こんなふうにもつれ合いながらベッドに倒れ込むのが夢だった。無理矢理押し倒されたり、ベッドに投げ出されたりするのは、粗末に扱われているようであまり好きではない。でもまあ、恋人に――ジェームズにされるなら、話はまた別だ。
ジェームズの豹変ぶりは恐ろしくもあった。まんいち恋人になったとしても、愛し合うのはもっとずっと先の事だと思っていたから。ジェームズが僕に対して欲情するだなんて想像もしなかった。
でも実際欲情している。それは股間の膨らみを見れば一目瞭然で、そこは想像以上の大きさで、パーシヴァルは思わず目が眩んだ。
どうりでブルーアー夫人が手放したがらなかったわけだ。
つづく
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パーシヴァルはチャーリーをそう評価した。
さすが、ジェームズが雇っただけのことはあるが、顔を逸らしながらもずけずけと恋人が睦み合っている場所へ踏み込んでくるなど常人の成せる業ではない。たとえここが図書室だとしてもだ。だいたい、雇われたばかりの見習いが勝手に入ってくる場所ではない。
でもおかげでジェームズが場所を移しての続きに快く同意してくれた。シャツを軽く羽織っただけの破廉恥な姿はそうそう見られるものではない。階段を駆け上がる姿のなんと雄々しい事か!
パーシヴァルは足をもつらせながら、ジェームズのあとを追った。足がもつれるのはズボンがしっかりと上まであがっていないせいだ。
「パーシヴァルどこへ行く!」
パーシヴァルはのぼりきった階段を右手に、ジェームズは左の方へ向かっていた。
「え、あ、そっちか。てっきり、僕の部屋へ行くのかと」
「あんな広い部屋は落ち着かない」
ジェームズが拗ねたように言うものだから、パーシヴァルはついあやすような口調になる。
「でも、広いベッドの方がいいだろう?」
「広すぎる」
「二人なら、そうでもない」
ジェームズは納得しかねるといった様子だったが、時間を惜しむようにこちらへ大股でやって来た。肩に手を触れ、先を促す。二人はほとんど同時に部屋へ踏み込んだ。
ジェームズはシャツを脱ぎ捨て、不満げな顔つきでパーシヴァルの手から平らで四角い籠を奪い取った。チャーリーが持って来たショートブレッドだ。
「なぜこんなものを?」ジェームズはちょっと怒っているようだ。
「きっとあとでお腹が空くと思って」意味ありげな視線を向け、にこりと笑う。
僕たちがこれからどれだけ体力を消耗すると思っているんだ?ベッドから這い出ることさえままならない状態になるってのに、非常食も準備しておかないなんて、それはあまりに軽率だ。考えなしもいいところ。ベルを鳴らせばすぐに誰かがすっとんでくるけれど、誰も呼びたくなかった。もしかしたら、呼ばれたって誰も来ないかもしれない。
ジェームズは籠をベッドサイドの小さな台の上に置き、パーシヴァルを追い込むようにしてベッドに押し倒した。
パーシヴァルは歓喜した。こんなふうにもつれ合いながらベッドに倒れ込むのが夢だった。無理矢理押し倒されたり、ベッドに投げ出されたりするのは、粗末に扱われているようであまり好きではない。でもまあ、恋人に――ジェームズにされるなら、話はまた別だ。
ジェームズの豹変ぶりは恐ろしくもあった。まんいち恋人になったとしても、愛し合うのはもっとずっと先の事だと思っていたから。ジェームズが僕に対して欲情するだなんて想像もしなかった。
でも実際欲情している。それは股間の膨らみを見れば一目瞭然で、そこは想像以上の大きさで、パーシヴァルは思わず目が眩んだ。
どうりでブルーアー夫人が手放したがらなかったわけだ。
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2014-04-17 01:15
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