はじめまして。


BL小説を書いております、やぴと申します。
こちらは男同士の恋愛小説となっております。
ストーリーの関係上、性描写があります。
ご理解いただける方のみ、自己責任において閲覧ください。
実際は小説と呼べるほどのものでもなく、趣味で書いていますので、稚拙な文章ではありますが楽しく読んで頂けると幸いです。

コメントなど気軽に頂けると嬉しいです。
誹謗中傷などの心無いコメントは当方で削除させていただきます。ご了承下さい。

妄想と暴走 7 [妄想と暴走]

不思議なもので、パーシヴァルを好きだと認めそう口にした途端、これまでずっとそうだったかのような親密さが芽生えた。

自由奔放で羞恥心の欠片もない男だが、案外一途で自分と相通じるものがある。そこがパーシヴァルを気に入る要因のひとつとなった事は確かだが、ほかにどこがどう好きなのかと問われたら、もう少し関係を進めてみないと答えることは出来ないだろう。

これまで従順だったパーシヴァルが、身体の下で抵抗と取れるような反発をみせた。拒絶か?誘ったのはお前だろう、と大声を出したくなった。

「逃げる気ですか?」ジェームズはパーシヴァルの片方の手首をとり、口許に持っていった。手の平を舌先で刺激し、指のひとつひとつを口に含む。ゆっくりと、奥まで入れては、抜き、強く吸う。視線はパーシヴァルの瞳に据えたまま、爪の先を少しだけ強く噛んだ。

「ちがう……」パーシヴァルは喘ぐように言い、溢れる唾液を飲み込んだ。「ただ、僕は――」

「指を舐められて感じている」

パーシヴァルの好みは知っている。この二年、様々な男たちとの戯れを目にしてきたのだから。嫉妬しないかと言えば嘘になる。たとえその時、パーシヴァルに対して何の感情も持ち合わせていなかったとしても。

「ふ……う、そうだけど、僕は、その……ああ!そこは、待って。さわっちゃ――」
パーシヴァルはいやいやと頭を振り、形だけで抵抗しつつも、腰を浮かせ、ジェームズの手に高まりを押し付けた。ズボンを引き下げ、強く揉む。下穿きの中央辺りは濡れて、手に当たるとひんやりとした。けれどそこもすぐに熱を帯び、手の下でさらなる解放を求めて激しく脈打った。

ジェームズは一旦手を離し、上半身を起こした。

今度はパーシヴァルが逃げる獲物を追いかけるような目つきで、ジェームズの上着を引っ掴んだ。

「脱ぐだけです」と言い、ジェームズは素早く上半身裸になると、再びパーシヴァルに覆いかぶさった。勢い任せなどジェームズらしくないが、経験不足と自信のなさは勢いでカバーするしかないのだ。

パーシヴァルがジェームズを抱き寄せる。素肌が触れ合い、お互いの興奮が否応にも増した。

カサッ。

乾いた音がすぐ横で聞こえ、キスに没頭していた二人は同時に顔を音のした方に向けた。

「ショートブレッドをお持ちしました」と、あさっての方向を向いたままチャーリーが告げた。

ショートブレッド?今頃か?すでに紅茶は冷めているし、ティータイムはとっくに終わっている。

「いま、すぐに――出て行け!」

ジェームズは、ジェームズらしからぬ大声を出し、チャールズ・デイヴナム見習い使用人を追い払った。

こんな現場を見られたことよりなにより、邪魔をされた事の方が腹が立った。パーシヴァルを満足させることの必須条件の勢いをくじかれたからだ。

けれども、パーシヴァルの身体はより一層熱を帯びていた。見られると興奮するタイプだった。

つづく


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