はじめまして。
BL小説を書いております、やぴと申します。
こちらは男同士の恋愛小説となっております。
ストーリーの関係上、性描写があります。
ご理解いただける方のみ、自己責任において閲覧ください。
実際は小説と呼べるほどのものでもなく、趣味で書いていますので、稚拙な文章ではありますが楽しく読んで頂けると幸いです。
コメントなど気軽に頂けると嬉しいです。
誹謗中傷などの心無いコメントは当方で削除させていただきます。ご了承下さい。
妄想と暴走 2 [妄想と暴走]
普段ヒナが勉強に使っている大きなテーブルの前の硬い椅子に座らされたパーシヴァルは、ジェームズの小憎らしくも上品な手によって並べられていく帳簿や書類の数々に、目を回した。
「なにをするつもりだ?」恐る恐る尋ねる。
「クラブがいまどういう状況にあるのか、ひとまず数字で把握してもらいます」無表情で淡々と答えるジェームズ。
す、すうじ?
「儲かっているんだろう!」それで事足りるとばかりに言う。
「もちろんです。誰が経営していると思っているんですか?」ジェームズはくいと片眉をつり上げた。それから帳簿のひとつを指差し、あれこれと講義を始めた。
言っていることは何ひとつ理解できないが、こういう自信に満ち溢れた、ちょっと高飛車なジェームズが好きだ。キビキビとした声は耳に心地いい。時と場合によってはその声の冷たさに傷つくこともあるけど、大抵において、耳の後ろを掻いてもらっている子猫のような気分になる。
ついでに、全身あらゆる場所を長くて綺麗な指でかきむしってくれたらいいのに。優しくてもいいし、少しならひどくてもいい。
ああ!ジェームズに引っかかれたらどんなに興奮するだろうか?感じやすい場所――あそこの先っちょなんかをカリカリとやられたら、ここ久しく味わっていない、得も言われぬ快感が味わえること間違いなしだ。
「聞いているんですか?」
帳簿が机を打つ音でハッと我に返る。まるで自分の尻をぶたれたかのようにぞくぞくと背筋が震えた。
「聞いているとも。君の声を聞き逃すものか」パーシヴァルは堂々たる態度で答えた。
「では、この数字はなんですか?」
ジェームズはまるで教師のような口ぶりで、一枚の紙の中央辺りに人差し指をぐっと押し付けた。
見るところ、先日のイベントに掛かった経費のようだが、まさかこの馬鹿みたいな金額も僕に出せというのか?請求書が届くのはクリスマス前かそこらだろうけど、いったい僕には儲けの何割くらい手元に入るのだろうか?まさか金を出すだけなんてことないよな?クラブ経営なんかしたことないから、金がどんなふうに動いているのかさっぱりだ。
「請求書は僕にまわせばいい」と格好をつけて言ったものの、ジェームズは冷ややかな目で見返しただけで、書類や帳簿を全部重ねてしまった。
いったいどこが気に障ったのだろうか?このままではなんのご褒美も貰えずじまいだ。
「その……急にいろいろ言われても、僕は仕事なんてしたことないんだ。ちょっとくらいわからなくても大目に見てくれよ、な」
小さい頃を思い出す。恐ろしい家庭教師は大目に見るなんてこと一切なかった。おやつも食べさせてもらえず、課題を終えるまでは部屋を出ることも、席を立つことすら出来なかった。
ジェームズがじっと見る。「やる気を確かめたかっただけです」
それならそうと言ってくれ!
「やる気はあるさ!!ただ……細かいことはよく分からない。ジェームズがいちからみっちり教えてくれれば、ジャスティンよりもいいパートナーになる自信はある」
パーシヴァルはもじもじと膝の上で手を揉み合わせた。うっかり股間に手が触れ、そこが硬くなっていることに気付いた。ジェームズにいいパートナーだと認められれば、この子もきっと喜ぶだろう。パーシヴァルはジェームズに気付かれないように、愛らしい息子をよしよしと撫でた。もうずっと可愛がってあげていない。限界はそこまで来ている。
それもこれも、ジェームズが焦らしまくっているせいだ!
「ジャスティンよりもいい経営者になると?四六時中仕事ばかりしているような人ですよ。まあ、最近ではヒナに割く時間が増えて、他の者に仕事を割り振ることを覚えましたけど」ジェームズはそう言って、懐中時計を取り出した。「ひとまず、お茶にしますか?」
「いいね」
硬い椅子から柔らかいソファに移動するのに、これほど自然でいいタイミングはないだろう。
パーシージュニアも大喜びだ。
つづく
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「なにをするつもりだ?」恐る恐る尋ねる。
「クラブがいまどういう状況にあるのか、ひとまず数字で把握してもらいます」無表情で淡々と答えるジェームズ。
す、すうじ?
「儲かっているんだろう!」それで事足りるとばかりに言う。
「もちろんです。誰が経営していると思っているんですか?」ジェームズはくいと片眉をつり上げた。それから帳簿のひとつを指差し、あれこれと講義を始めた。
言っていることは何ひとつ理解できないが、こういう自信に満ち溢れた、ちょっと高飛車なジェームズが好きだ。キビキビとした声は耳に心地いい。時と場合によってはその声の冷たさに傷つくこともあるけど、大抵において、耳の後ろを掻いてもらっている子猫のような気分になる。
ついでに、全身あらゆる場所を長くて綺麗な指でかきむしってくれたらいいのに。優しくてもいいし、少しならひどくてもいい。
ああ!ジェームズに引っかかれたらどんなに興奮するだろうか?感じやすい場所――あそこの先っちょなんかをカリカリとやられたら、ここ久しく味わっていない、得も言われぬ快感が味わえること間違いなしだ。
「聞いているんですか?」
帳簿が机を打つ音でハッと我に返る。まるで自分の尻をぶたれたかのようにぞくぞくと背筋が震えた。
「聞いているとも。君の声を聞き逃すものか」パーシヴァルは堂々たる態度で答えた。
「では、この数字はなんですか?」
ジェームズはまるで教師のような口ぶりで、一枚の紙の中央辺りに人差し指をぐっと押し付けた。
見るところ、先日のイベントに掛かった経費のようだが、まさかこの馬鹿みたいな金額も僕に出せというのか?請求書が届くのはクリスマス前かそこらだろうけど、いったい僕には儲けの何割くらい手元に入るのだろうか?まさか金を出すだけなんてことないよな?クラブ経営なんかしたことないから、金がどんなふうに動いているのかさっぱりだ。
「請求書は僕にまわせばいい」と格好をつけて言ったものの、ジェームズは冷ややかな目で見返しただけで、書類や帳簿を全部重ねてしまった。
いったいどこが気に障ったのだろうか?このままではなんのご褒美も貰えずじまいだ。
「その……急にいろいろ言われても、僕は仕事なんてしたことないんだ。ちょっとくらいわからなくても大目に見てくれよ、な」
小さい頃を思い出す。恐ろしい家庭教師は大目に見るなんてこと一切なかった。おやつも食べさせてもらえず、課題を終えるまでは部屋を出ることも、席を立つことすら出来なかった。
ジェームズがじっと見る。「やる気を確かめたかっただけです」
それならそうと言ってくれ!
「やる気はあるさ!!ただ……細かいことはよく分からない。ジェームズがいちからみっちり教えてくれれば、ジャスティンよりもいいパートナーになる自信はある」
パーシヴァルはもじもじと膝の上で手を揉み合わせた。うっかり股間に手が触れ、そこが硬くなっていることに気付いた。ジェームズにいいパートナーだと認められれば、この子もきっと喜ぶだろう。パーシヴァルはジェームズに気付かれないように、愛らしい息子をよしよしと撫でた。もうずっと可愛がってあげていない。限界はそこまで来ている。
それもこれも、ジェームズが焦らしまくっているせいだ!
「ジャスティンよりもいい経営者になると?四六時中仕事ばかりしているような人ですよ。まあ、最近ではヒナに割く時間が増えて、他の者に仕事を割り振ることを覚えましたけど」ジェームズはそう言って、懐中時計を取り出した。「ひとまず、お茶にしますか?」
「いいね」
硬い椅子から柔らかいソファに移動するのに、これほど自然でいいタイミングはないだろう。
パーシージュニアも大喜びだ。
つづく
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2014-04-09 00:00
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