はじめまして。
BL小説を書いております、やぴと申します。
こちらは男同士の恋愛小説となっております。
ストーリーの関係上、性描写があります。
ご理解いただける方のみ、自己責任において閲覧ください。
実際は小説と呼べるほどのものでもなく、趣味で書いていますので、稚拙な文章ではありますが楽しく読んで頂けると幸いです。
コメントなど気軽に頂けると嬉しいです。
誹謗中傷などの心無いコメントは当方で削除させていただきます。ご了承下さい。
迷子のヒナ 1 [迷子のヒナ]
迷子のヒナ 登場人物
ヒナ (15歳)
ジャスティン・バーンズ スティー二ークラブの経営者 (27歳)
ジェームズ・アッシャー ジャスティンの秘書 (25歳)
<バーンズ邸の使用人>
ホームズ 執事
シモン 料理人
ダン ヒナの近侍
ミスター・アダムス ヒナの家庭教師
パーシヴァル・クロフト クラブの会員
アンソニー ジャスティンの恋人(故人)
※大まかな紹介です。詳しくはのちほど――
*****
ジャスティン・バーンズはペンを置き、首をぐるりと回した。
これでもう自ら確認する書類は尽きてしまった。肩が凝るのももっともだ。ジャスティンは机に山ほど積み重ねられた書類を見て思った。
椅子から立ち上がり、軽く伸びをする。机に手をつき、さすがに今夜はベッドで眠ろうと心に決めた。
ジャスティンはもう何日もベッドで眠っていない理由を考えないようにした。執務室の長椅子の寝心地もそう悪いものではない。だが、さすがに疲れた。このまま熱い湯に浸かって、ベッドでゆっくりと休むことにしよう。
机に置いたペンをペン立てに戻し、書類を引き出しに仕舞うと、ジャスティンは戸口に向かった。
タイミングがいいのか悪いのか、ノック音とともに、聞き慣れた声が聞こえた。
「ジャスティン、いいですか?」そう言って返事も待たずに、仕事上のパートナーのジェームズ・アッシャーがずかずかと中へ入って来た。相変わらず見目のいいこの男は、どうやら慌てているようだ。見事な金髪の一筋が額に掛かっている。ここ最近では見た事のない乱れっぷりに、ジャスティンは面白げに片眉を上げてみせた。
「何か問題でも?」
「笑い事じゃないぞ。赤の間でクロフト卿が暴れている」
「暴れている?パーシヴァルが?」
パーシヴァル・クロフト。金と時間を持て余した、典型的な貴族階級人間だ。ここ、ジャスティンの経営する女人禁制の会員制クラブに、昼夜を問わず週の半分は訪れる。いつもは恋人と一緒だが、どうやら今夜は違うらしい。
「いや、正確には館内で見掛けた子を自分の所へ連れて来いと要求している」
「館内で見掛けた子というのは、ヒナのことか」ジャスティンは溜息を吐いた。「勝手に館をうろつくなとあれほど言っていたのに。それで?パーシヴァルは酔っているのか?」
「ああ、ここ最近では見たことがないほど。噂ではブライス卿がどこかの令嬢と婚約したらしいから、ヒナをベッドへ招きたいと思う程酔っている理由はそれだろうな」
ジャスティンは獰猛な唸り声を漏らした。「ベッドへ招きたいだと?」
ジェームズは胸の前で腕を組んだ。「この際だからヒナをクロフト卿に差し出したらどうだ?」口調こそ冗談めかしてはいたが、ジェームズはいたって本気だ。
「ジェームズ、死にたくなければ余計な事は口にするな」
ジェームズは軽く肩を竦め、「なら、どうやってクロフト卿を宥める?このままじゃ、あの部屋の高価な調度品のいくつかを失う羽目になるぞ」と現実的な言葉を口にした。
「ヒナはどうしてる?」
調度品なんかよりも、ジャスティンにとってはヒナの方が大事だ。
「部屋にいる。今夜部屋の外へ出たら、二度とジャスティンには会えないと脅しておいたから、おとなしくしているだろう」
ジェームズがヒナを脅す場面を想像して、ジャスティンの怒りは最高潮に膨れ上がった。
つづく
>>次へ
あとがき
こんばんは、やぴです。
ヒナは何者?っていうのは、おいおい分かってきます。ジャスティンとの関係も。
ジャスティンの経営するクラブは、外観はいわゆるお屋敷なんですけど、内部はエロ満載な館です。
お酒や料理、ゲームだけを楽しむ人もいますけどね…。人の行為を見たりとか(笑)
楽しみ方は色々です。
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ヒナ (15歳)
ジャスティン・バーンズ スティー二ークラブの経営者 (27歳)
ジェームズ・アッシャー ジャスティンの秘書 (25歳)
<バーンズ邸の使用人>
ホームズ 執事
シモン 料理人
ダン ヒナの近侍
ミスター・アダムス ヒナの家庭教師
パーシヴァル・クロフト クラブの会員
アンソニー ジャスティンの恋人(故人)
※大まかな紹介です。詳しくはのちほど――
*****
ジャスティン・バーンズはペンを置き、首をぐるりと回した。
これでもう自ら確認する書類は尽きてしまった。肩が凝るのももっともだ。ジャスティンは机に山ほど積み重ねられた書類を見て思った。
椅子から立ち上がり、軽く伸びをする。机に手をつき、さすがに今夜はベッドで眠ろうと心に決めた。
ジャスティンはもう何日もベッドで眠っていない理由を考えないようにした。執務室の長椅子の寝心地もそう悪いものではない。だが、さすがに疲れた。このまま熱い湯に浸かって、ベッドでゆっくりと休むことにしよう。
机に置いたペンをペン立てに戻し、書類を引き出しに仕舞うと、ジャスティンは戸口に向かった。
タイミングがいいのか悪いのか、ノック音とともに、聞き慣れた声が聞こえた。
「ジャスティン、いいですか?」そう言って返事も待たずに、仕事上のパートナーのジェームズ・アッシャーがずかずかと中へ入って来た。相変わらず見目のいいこの男は、どうやら慌てているようだ。見事な金髪の一筋が額に掛かっている。ここ最近では見た事のない乱れっぷりに、ジャスティンは面白げに片眉を上げてみせた。
「何か問題でも?」
「笑い事じゃないぞ。赤の間でクロフト卿が暴れている」
「暴れている?パーシヴァルが?」
パーシヴァル・クロフト。金と時間を持て余した、典型的な貴族階級人間だ。ここ、ジャスティンの経営する女人禁制の会員制クラブに、昼夜を問わず週の半分は訪れる。いつもは恋人と一緒だが、どうやら今夜は違うらしい。
「いや、正確には館内で見掛けた子を自分の所へ連れて来いと要求している」
「館内で見掛けた子というのは、ヒナのことか」ジャスティンは溜息を吐いた。「勝手に館をうろつくなとあれほど言っていたのに。それで?パーシヴァルは酔っているのか?」
「ああ、ここ最近では見たことがないほど。噂ではブライス卿がどこかの令嬢と婚約したらしいから、ヒナをベッドへ招きたいと思う程酔っている理由はそれだろうな」
ジャスティンは獰猛な唸り声を漏らした。「ベッドへ招きたいだと?」
ジェームズは胸の前で腕を組んだ。「この際だからヒナをクロフト卿に差し出したらどうだ?」口調こそ冗談めかしてはいたが、ジェームズはいたって本気だ。
「ジェームズ、死にたくなければ余計な事は口にするな」
ジェームズは軽く肩を竦め、「なら、どうやってクロフト卿を宥める?このままじゃ、あの部屋の高価な調度品のいくつかを失う羽目になるぞ」と現実的な言葉を口にした。
「ヒナはどうしてる?」
調度品なんかよりも、ジャスティンにとってはヒナの方が大事だ。
「部屋にいる。今夜部屋の外へ出たら、二度とジャスティンには会えないと脅しておいたから、おとなしくしているだろう」
ジェームズがヒナを脅す場面を想像して、ジャスティンの怒りは最高潮に膨れ上がった。
つづく
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あとがき
こんばんは、やぴです。
ヒナは何者?っていうのは、おいおい分かってきます。ジャスティンとの関係も。
ジャスティンの経営するクラブは、外観はいわゆるお屋敷なんですけど、内部はエロ満載な館です。
お酒や料理、ゲームだけを楽しむ人もいますけどね…。人の行為を見たりとか(笑)
楽しみ方は色々です。
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2013-03-09 00:04
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