はじめまして。


BL小説を書いております、やぴと申します。
こちらは男同士の恋愛小説となっております。
ストーリーの関係上、性描写があります。
ご理解いただける方のみ、自己責任において閲覧ください。
実際は小説と呼べるほどのものでもなく、趣味で書いていますので、稚拙な文章ではありますが楽しく読んで頂けると幸いです。

コメントなど気軽に頂けると嬉しいです。
誹謗中傷などの心無いコメントは当方で削除させていただきます。ご了承下さい。

ひとひらの絆 10 [ひとひらの絆]

一葉への作戦は変更せざるを得なかった。
しかし、守を奪われたショックがあまりにも大きくて何も思いつかない。
考えようとすればするほど、守と一葉のあのドアを開けた瞬間の姿が思い浮かび、怒りや苛立ちと共に、自分が犯した失態に情けなくなる。
ただ一つ考えついたのは、守がされたことを一葉にしてやることだった。
そして、そのまま身体全部を奪ってやろうと思った。
もしそんなことが親に知れたら、それこそ家族は崩れ去る。

家族そろっての食事の時間、一葉はいつも通りに一人だけ別メニューで何事もなかったように食事をしていた。
守はしょんぼりとした感じだったが、食べる勢いはいつもと変わらなかった。
京子は上機嫌だった。表情にすべて出ている。きっと今日は堂林と会ったに違いない。
珍しく夕食の席にいる父は、いつもと変わらず無口だ。適当におかずをつまみながらの晩酌。家族が食事を終える頃には、自室に引きこもり、ウィスキーをちびちびとやる。

容は夜遅くになり、一葉の部屋のドアをノックした。

「俺だ――」

『どうぞ』

中へ入ると、一葉は背にふかふかの枕をいくつも重ねベッドに座り本を読んでいた。
「なあに?容兄さん」本にしおりを挟み、パタンと閉じ、容を見る。
容は無言で傍により、ベッドに腰を掛けた。

「お前、昼に言ったよな、気持ちよくしてくれるの?って……だからしてやろうと思って来たんだ」
そう言って容は一葉の頬に触れ、顔を近づけキスをした。
一葉は少し驚いた表情を見せたが抵抗しなかった。
唇を離すと、一葉が挑発するように容を見つめ口を開く。
「それだけ?舌は入れないの?」
お互い唇が付きそうなほど近い場所で相手の顔を見る。
「入れて欲しいのか?」
「だって、気持ちよくしてくれるんでしょ」
この言葉のやりとりが、お互いどっちが勝つのかと勝負しているようだった。

容はまた一葉に唇を重ね、ぬるりとした舌を差し入れた。一葉はその舌に自分の舌を絡め、お互いの舌を吸い合い、唾液を混ぜ合い、ただ夢中になってキスをした。
お互いが相手を堕とすことに必死になっていた。
だがそれとは違うところで、容は一葉とのキスに酔いしれていた。

つづく


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