はじめまして。


BL小説を書いております、やぴと申します。
こちらは男同士の恋愛小説となっております。
ストーリーの関係上、性描写があります。
ご理解いただける方のみ、自己責任において閲覧ください。
実際は小説と呼べるほどのものでもなく、趣味で書いていますので、稚拙な文章ではありますが楽しく読んで頂けると幸いです。

コメントなど気軽に頂けると嬉しいです。
誹謗中傷などの心無いコメントは当方で削除させていただきます。ご了承下さい。

ひとひらの絆 1 [ひとひらの絆]

※引っ越し記事です。そのまま再度UPします。

**主な登場人物**
容(よう)   17歳
守(まもる)  10歳
一葉(かずは) 16歳

<ちょっとしたあらすじ>
容と守の二人の兄弟が、母が亡くなった後、別の家庭を持っている父親と共に暮らし始めるところから始まります。
父は兄弟が幼い頃、母と別れ、新しい妻の間には一人息子の一葉がいます。
容は父とその家庭を恨み、憎んでいます。



「守、今日から俺たちはここで暮らすんだ」
「兄ちゃん……大きいおうちだね。ここにパパがいるんでしょ」
「そうだよ――ここには母さんを捨てた男と、母さんから父さんを奪った女と俺たちの幸せをすべて自分のものにしたやつがいるんだ」
「兄ちゃん、それって悪い人なんでしょ」
「守はよく分かってるなぁ――だから、すべてを奪ってやろうな」

そう言って兄弟は手をぎゅっと繋ぎ、この家のチャイムを鳴らした。

弟の手を引き、容は父のいる家までやって来た。
容は今一七歳、弟の守は十歳――ひと月ほど前に母が亡くなった。
父は守が生まれて間もなくして、家族を捨てて新しい家族の元へ行った。
その家にはすでに六歳になる男の子がいた。
そして相手の女は、母がもっとも信頼を寄せていた親友だったのだ。
優しかった母は何も言わず、父がその女のところへ行くのを許した。

父は捨てた家族に見向きもしなかった。
母は働き詰めであまり家にいなかった。
だけど容と守は寂しいとは思わなかった――いや、思わないようにしていた。
暮らしだって楽ではなかったが、家族三人顔を合わせているだけで幸せだった。
母が背負った苦労が、母を蝕み、二人から母を奪った。

それから、二人は父を捜した。
父は地元では有名な会社の社長ですぐに見つけることができた。
会社はあの女のものだという。

自分たちが苦労していた間に、父がのうのうと暮らしていたかと思うと湧き上がる怒りを自制できないほどだった。
そして復讐してやろうと思った。

父はあっさり二人を引き取ることを了承した。
まるで最初から容達がやって来ることを想定していたみたいだった。
同じ家で家族として暮らす――世間体を考えての事だろう――虫唾が走るほど腹が立った。
しかし、これが始まりなのだ。
この家で、憎いやつらの苦しむ姿を見る。
それだけが容にとって、この家で暮らす意味なのだ。
そうでなければ、父の顔など二度と見たくはなかった。

「兄ちゃん、玄関開いたよ」
守が自分よりもずっと背の高い容を見上げて、中に入ろうよと促す。
「そうだな……守、何があっても兄ちゃんの傍にいるんだぞ。守ってやるからな」
そう言って二人は始まりの一歩を踏み出した。

つづく


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