はじめまして。


BL小説を書いております、やぴと申します。
こちらは男同士の恋愛小説となっております。
ストーリーの関係上、性描写があります。
ご理解いただける方のみ、自己責任において閲覧ください。
実際は小説と呼べるほどのものでもなく、趣味で書いていますので、稚拙な文章ではありますが楽しく読んで頂けると幸いです。

コメントなど気軽に頂けると嬉しいです。
誹謗中傷などの心無いコメントは当方で削除させていただきます。ご了承下さい。

薄紅の心 9 [薄紅の心]

そう、瑞希はこんな幸せでも、それでいいと思っていた。
瑞希が幼いころに父が亡くなってから、友美がずっと女手一つで育ててくれたのだ。
社交的で明るい母は友人も多く幾人か付き合った人もいたが、それでも再婚はしなかった。それは瑞希の為だった。息子の多感期に自分が再婚することで、親子二人で築いた生活が乱れるのを懸念していたのだ。それでもと結婚したい相手が現れた。そしてようやく母が手に入れた幸せを、瑞希が壊すことなどできるはずがなかった。

しかし、そんな瑞希の気持ちなど慶に分かるはずなかった。
こんなくだらない幸せの為に、自分をわざわざ犠牲にしている瑞希に憤りすら感じていた。

「瑞希が言う通りにすれば、俺は瑞希が望む通りに何でもする。それに父さんからも守ってやる。瑞希はどう思ってる?」

「うん……慶の言うとおりにする、だから母さんには何も言わないで。それに、父さんにもあんなことされたくない」

縋り付くように発せられる瑞希のその言葉に、少しは自分を受け入れたのかと錯覚すらしてしまう。
それでも、これはただの契約みたいなものだ。
それは一方的に瑞希に不利なものだけれど、瑞希はそれすら気付いていない。

「瑞希、俺の上に乗って」
ベッドの上に座る慶の上に、瑞希が向かい合わせで跨るようにして座った。
慶がぐっと抱き寄せ、一度精を放出したお互いのペニスが密着する。
慶が当たり前のように瑞希にキスをし、瑞希もそれに答える。
そして慶の手は瑞希の背に回り、丸みのある柔らかい尻を撫で始めた。それからその割れ目に指を這わせ、瑞希のアナルに触れた。
瑞希がピクンと身体を震わせた。
「怖い?」慶が気遣うように問う。
「大丈夫だよ……」
緊張で身を固くし、涙声で答える瑞希に胸が締め付けられる。
それでも、慶はやめる気にはなれない。
慶は指をちゅっと口に含み唾液を絡ませるとそのぬめりで瑞希のアナルを刺激した。
ゆっくりと優しく擦り、指を差し入れた。
ほんの指先なのに、瑞希のアナルは到底受け入れられないという様に抵抗する。
「瑞希…力抜いて……優しくするから――」
「うん」
消え入りそうなほどか弱く慶の耳のもとで発せられた声が、慶の五感を刺激する。
入口を何とか通り過ぎた指は、瑞希の粘膜に纏わり付かれ引き込まれるようだった。
少し上を向きだした二人のペニスが重なり擦れ合う。
クチュクチュとアナルを刺激し、キスを交わすと、思った以上に瑞希が色っぽく反応する。
慶は指を増やそうと刺激を続けるがなかなか瑞希の孔が緩まない。
慶は上に乗る瑞希を体勢を逆転するように押し倒し、股の間に顔を埋めた。
そして迷わず瑞希の綺麗な蕾に舌を這わせた。
最初は入口を溶かすように、それから内部を拡げるようにぴちゃぴちゃと舐め回した。
「ああぁ……あんっ……慶、変な感じ……あぁぁ……」
舌を奥まで差し入れると、瑞希は大きく喘いだ。
指を突っ込みながら舌を差し入れ舐め回し、やっと指が二本まで入った。
これでは到底慶のモノなどは入るはずもなく、じっくりと時間をかけて解していく。
「やっ……だ……ああん」
そういう瑞希はペニスをヒクつかせ大きく反らせていた。
「瑞希は嫌がっている割には、いやらしい声を出すなぁ」

瑞希は確かにこんなことを慶にされるのは嫌だった。
それは尊敬し敬愛していた兄だったからだ。
義父孝雄にされる行為は嫌悪しかなかった。
同じように無理やりにされているはずなのに、慶にされている行為は嫌だと思っても義父のそれとは違った。
自分でもその感情や感覚がなんなのかは分からなかった。

つづく


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