はじめまして。


BL小説を書いております、やぴと申します。
こちらは男同士の恋愛小説となっております。
ストーリーの関係上、性描写があります。
ご理解いただける方のみ、自己責任において閲覧ください。
実際は小説と呼べるほどのものでもなく、趣味で書いていますので、稚拙な文章ではありますが楽しく読んで頂けると幸いです。

コメントなど気軽に頂けると嬉しいです。
誹謗中傷などの心無いコメントは当方で削除させていただきます。ご了承下さい。

薄紅の心 4 [薄紅の心]

慶はそっとベッドに乗り、瑞希の背を包み込むように身体を寄せた。

瑞希はぐっすりと眠っているようだった。
やはり孝雄がいないことで安心しきっているのだ。

慶は瑞希の首筋に口づけをし、身体を密着させた。

「う…ん……?」

瑞希が目を覚ました。
そしてその背に人の感覚を感じ、身体を強張らせた。
慶が耳元で優しく囁く。
「瑞希、俺だ。こっち向いて」

瑞希は父ではなかったことに安堵したが、それでもこの状況がよく分からず、振り向くことなどできなかった。
慶が瑞希の肩を掴みゆっくりと自分の方へ向かせた。
「瑞希、まだ知りたいことがあるんだ」
瑞希は暗闇で慶の方を見ていた。
慶は瑞希の顔をしっかりと捉え、顔を近づけて唇を重ねた。
強張り、身を引こうとする瑞希を慶は逃がさなかった。

瑞希は声は出さなかった。
下手に声を出せば下で眠る母に聞こえるかもしれない。
それに、父にそう教え込まれているのだと慶は思った。
唇を離すと、瑞希は慶を震える手で尽き離し、ベッドから這い出ようとした。
慶はそれでも逃がさなかった。
その鍛えた体で瑞希を捉え、押し倒した。
「瑞希、静かにしないと、母さんに聞こえるよ」
それは紛れもなく脅しだった。

「兄さん、どうして?なに?」
瑞希は混乱し、囁く声は震えていた。

「瑞希が父さんに何をされたか確認しに来たんだ」
「それは、さっき……」
「どこをどういう風に、どうされたのか知りたい。瑞希はそれで、気持ちよくなったのか?父さんにここをしゃぶらせ、中のものを飲ませたのか?」
瑞希を抑え込み上に乗った慶は、瑞希の股間に手を触れその肉を確認した。
「どうして、そんなこと……」
「どうして?――知りたいからだ」
慶はそう言うと、股間の手をゆっくりと動かし寝間着の下に隠れる瑞希のペニスに刺激を与えた。
「にっ兄さん……やめて……」
「瑞希、静かに…と言ったはずだよ」
そう言うと瑞希の唇を塞ぎ、その内部に舌を入れ歯列をなぞった。
瑞希の身体がくねるように動き、口の中の吐息が慶に伝わった。
瑞希は舌を絡められ吸われて、慶の手の中の性器は少しずつ反応している。
慶が唇を離しても、唾液が二人を繋げていた。

「瑞希、感じてるの?ここ大きくなってる」
瑞希の表情が見えない。
慶のキスと、下半身への刺激で瑞希はどんな顔をしているのだろうか?
慶は壁際に手を伸ばし、カーテンを開けた。
月明かりが瑞希の顔を照らした。

瑞希の濡れた瞳は慶を見ていた。
蒼白い顔で戸惑いの表情を浮かべ、震える口元が艶っぽく光っていた。

慶の胸は高鳴った。
しかし、その高鳴りは瑞希の言葉に遮られた。

「どうして、こんなことするの?」

つづく


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