はじめまして。


BL小説を書いております、やぴと申します。
こちらは男同士の恋愛小説となっております。
ストーリーの関係上、性描写があります。
ご理解いただける方のみ、自己責任において閲覧ください。
実際は小説と呼べるほどのものでもなく、趣味で書いていますので、稚拙な文章ではありますが楽しく読んで頂けると幸いです。

コメントなど気軽に頂けると嬉しいです。
誹謗中傷などの心無いコメントは当方で削除させていただきます。ご了承下さい。

ヒナおじいちゃんに会いに行く 8 [ヒナおじいちゃんに会いに行く]

ダンは降格。

しばらくヒナの身の回りの世話はエヴァンが任されることとなった。ダンはエヴァンの下に付くことになる。

そしてヒナは、当面外出禁止。おやつもちょっぴり減らされる。

昼食後言い渡された主人の命令に、邸内は騒然となった。ダンが降格されたことも驚きだが、ヒナに罰を与えたことへの衝撃はクラブが閉鎖されたこと以上のものだった。

「ちょっとやり過ぎなんじゃない?ヒナからおやつを取ったらどうなるかわかってるの?ガリガリになっちゃうよ」これ見よがしにカスタードパイを口に運びながら、パーシヴァルが言った。客からの差し入れで、もちろんヒナのぶんもある。

「黙れ、パーシヴァル」ジャスティンはギロリと睨んだ。

「おお、こわい」パーシヴァルはたいして感情も込めず、わざとらしく身を震わせた。

「僕もやり過ぎかなと思うけど?」コーヒーを片手にジェームズが口を挟む。

「そうだよ。このあとカイルが来るのに、おやつもまともに出せないなんて、恥ずかしくて仕方ないよ」味方を得たパーシヴァルの口は滑らかだ。

「出さないとは言ってないだろうが」ジャスティンは吐き捨てた。

「どうせ、そのくらいしかヒナへのお仕置きの方法がわからないんだろう?ヒナの巻き添えを食ったダンが可哀相だよ」パーシヴァルが目下の者に同情するのは珍しい。

「あなたはエヴァンがヒナの方へ行ってしまったので、喜んでいるのでしょう?」ジェームズがちくりと言う。

「ふん。あのロシターとかいうのも似たり寄ったりじゃないか。なーんかごちゃごちゃしてて嫌だな」パーシヴァルは口元を拭い、カップを手にした。

「配置換えも終わりましたし、すっきりするはずです」とジェームズ。

「最近どうも規律が乱れている気がしてならない。おまえが来てからだ、パーシヴァル」

ヒナが好き勝手するぶん、他は特に引き締めなければならない。すべてホームズに任せていたが、たまには主人の一喝が必要だ。

「やめてよ。僕を追い出そうたってそうはいかないからね。出て行くときはヒナも連れて行くから」

「確かに、そうですね」ジェームズは当然のようにジャスティンに同調した。常に恋人の味方をするとは限らない。

「ちょっ!ジェームズまで。そんなこと言うなら、ご褒美あげないからな」パーシヴァルはぷうっと頬を膨らませ、子供みたいな抗議をする。

「やめろ。気色悪い」ジャスティンは、うげぇと顔を歪めた。

「口を閉じないと、本当に追い出しますよ」ジェームズは冷ややかに切り捨てた。

「はいはいはい。わかってますって!」

結局、パーシヴァルはジェームズに頭が上がらない。

そして、ジャスティンはヒナに頭が上がらない。

つづく


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