はじめまして。


BL小説を書いております、やぴと申します。
こちらは男同士の恋愛小説となっております。
ストーリーの関係上、性描写があります。
ご理解いただける方のみ、自己責任において閲覧ください。
実際は小説と呼べるほどのものでもなく、趣味で書いていますので、稚拙な文章ではありますが楽しく読んで頂けると幸いです。

コメントなど気軽に頂けると嬉しいです。
誹謗中傷などの心無いコメントは当方で削除させていただきます。ご了承下さい。

妄想と暴走 11 [妄想と暴走]

パーシヴァルがその魅力をふんだんに発揮しはじめ、いよいよこのまま突き進むしかないとなったときでさえ、ジェームズはふと我に返ることがあった。

ただ、好きだと認めただけで、ここまでの行動を起こした自分が信じられなかった。ほとんど毎日のようにパーシヴァルに言い寄られていたからといって――性的なアピールを含めて――、家人が留守になった途端、こうも淫らな振る舞いにでるとは、想像もつかなかった。

朝っぱらからなにをしている?(おそらくもう昼は過ぎただろうが)

仕事をほったらかしてすることか?(むろん、ジェームズが顔を出そうが出すまいが、クラブはいつも通りの営業を続けている)

二人で部屋へ引きこもって、わざわざ屋敷中に関係を触れ回ることもないのでは?(ジェームズがどう思おうがもう手遅れだ)

そんなささいな葛藤を繰り返したあげく、ジェームズはとうとうパーシヴァルのもう我慢できない攻撃に屈した。

「ジェームズお願いだ。これ以上焦らされたら気がおかしくなってしまう!」パーシヴァルは悲鳴を上げた。

「おかしくなかった時などないだろう?」そう言ってジェームズはぐいぐい身体を押し付けてくるパーシヴァルを抱いて、くるりと回転し上下を入れ替えた。(広いベッドを選択して正解だった)

まさにこの瞬間が来たと目を潤ませるパーシヴァルを見下ろす。パーシヴァルはキスをせがみながら、腰に足をしかと巻きつけてきた。子供が母親に抱っこされて、本能的にそうするように。
ジェームズはゆったりとキスをし、もっとも最適な場所に設えられた入口を目指して、腰を前に出した。軽く手を添えただけの昂りの先が、ずぶりと突き刺さる。柔らかく解れしっとりと濡れたそこは、初心者を優しく迎えるに充分過ぎるほど、膳立ては完璧だった。

ジェームズはぐっと前のめりになり、一突きで奥まで入った。しばらく馴染むまでそこに居て、おもむろに腰を引いた。

あまりの心地よさに恍惚とする。誰もがパーシヴァルに惹きつけられる要因のひとつがこれで分かった。

「ああっ……だめ――ッ!」
パーシヴァルは突如叫び、両手で顔を覆った。小さな痙攣はやがて大きくなり、パーシヴァルの中のジェームズにもその震えが伝わった。強い締め付けに襲われ、パーシヴァルが達したのだと気付いた。

白濁がほとばしり、ツンと青臭い匂いが鼻をついた。

「ご、ごめん――我慢できなかった」

顔を真っ赤にし、涙声で謝るパーシヴァルがとても愛おしかった。それに、嬉しかった。ひとまず、ほぼ挿入と同時に極みに達したという事は、恋人として合格点をもらえたということだ。

「随分我慢させていたようだな。悪かった」

ジェームズは笑いをかみ殺しながら、たった一度では到底満足しないパーシヴァルの為に、止めていた動きを再開した。

このあと二人は、ショートブレッドを部屋に持ち込んでいてよかったと思える時間までベッドから出る事はなかった。

おわり


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あとがき
こんばんは、やぴです。
番外編おわり。二人は結ばれないという結果でもよかったんですけど、パーシーが「嫌だ!」と抗議の声を上げたので、ジェームズにいきなり何の前触れもなく暴走してもらいました。
今度はまたヒナに戻って、ほんわかほのぼので行きたいです。

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