はじめまして。


BL小説を書いております、やぴと申します。
こちらは男同士の恋愛小説となっております。
ストーリーの関係上、性描写があります。
ご理解いただける方のみ、自己責任において閲覧ください。
実際は小説と呼べるほどのものでもなく、趣味で書いていますので、稚拙な文章ではありますが楽しく読んで頂けると幸いです。

コメントなど気軽に頂けると嬉しいです。
誹謗中傷などの心無いコメントは当方で削除させていただきます。ご了承下さい。

好きとか言ってないし 10 [好きとか言ってないし]

「コウタ、本当に内緒だからね」

自宅の玄関前までやっとのことで戻って来た陸は、迎えに来てくれたコウタに念を押した。

「うん、わかってるよ。とにかく家に入ったら、荷物は玄関に置いて、そのままお風呂に入りな。海も朋ちゃんももう入ってるから、ゆっくりしても大丈夫。着替えは今日取り込んだやつを洗濯機の上に置いておくから」
そう言って、コウタが玄関のドアを開けた。

陸はこそこそと家の中へ入ると、そのまま風呂場に向かった。

海はおそらくゲームをしているから大丈夫だとして、朋ちゃんはコウタが外出した事をおかしいと思うはずだ。コウタはどうやって言い訳をするんだろうか?嘘がつけないくせに。

とにかくお風呂に入って、今日起こった出来事を忘れよう。

陸は念入りに身体を洗うと――尻の孔は泡で優しく洗った――ぬるま湯に浸かった。

じんわりと身体が温まり、凝り固まっていた身体が徐々にほぐれた。湯船から手を出しバスタブの淵に腕を置くと、小さく溜息を吐いた。

今日は本当に油断していた。
男子校だから、そういったこともあると分かっていたのに、よりによってやったあと置き去りにするような卑劣な奴に掴まってしまった。

ユーリ――

あいつ、キスが上手かった。
おかげであそこも反応しちゃって、やられる羽目になったのだ。バカバカ!
しかも手でイかされて……それも気持ちよくて……バカバカ!

それに、俺の事名前で呼んだりしてさ、余計に感じちゃったじゃん!

思い出しているうちに、陸の分身がむくむくと起き上がって来た。

「ち、違うっ!これはあいつの――」

「陸、何が違うの?」
コウタが声を顰め、風呂場に入って来た。

陸は湯の中で飛び上がらんばかりに驚き、振り返ってコウタを見上げた。コウタは目を背けたまま着替えを洗濯機の上に置いているところだった。

「なんでもない」陸は慌てて言い繕う。ユーリとのセックスを思い出して、あそこを立たせてますとは言えない。「それより、朋ちゃんにはなんて言ったの?」

コウタが素早くこちらを向いた。口元をきゅっと閉じ、目を真ん丸にして赤面している。

「あ、いいや。着替えありがと」
陸がそう言うと、コウタはさっと脱衣場から出て行った。

おそらく、コウタは陸が提案したアレを朋に伝えたのだと、陸は考えた。

初体験で誤魔化すとは、コウタもなかなかやるな。

つづく


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