はじめまして。
BL小説を書いております、やぴと申します。
こちらは男同士の恋愛小説となっております。
ストーリーの関係上、性描写があります。
ご理解いただける方のみ、自己責任において閲覧ください。
実際は小説と呼べるほどのものでもなく、趣味で書いていますので、稚拙な文章ではありますが楽しく読んで頂けると幸いです。
コメントなど気軽に頂けると嬉しいです。
誹謗中傷などの心無いコメントは当方で削除させていただきます。ご了承下さい。
あまやかなくちづけ 7 [あまやかなくちづけ]
お互い連絡を取らないまま、喧嘩して三日が過ぎていた。
守は今度こそ森野に愛想をつかれてしまったのではと、怖くて連絡できなかった。
一方の森野は、真剣に今後の守との付き合いについて考えていた。
もしかするとこのまま別れてしまった方が守の為なのではと、そんな事できるはずもないのに悩み続けている。
守はまだ若い。
これからもっといろいろな恋愛を経験するだろう。
現に学校で告白されたと言っていた。自分ではなくその子と付き合った方が――
その先を考えると恐ろしかった。
守の為にああしたほうがいい、こうした方がいいといくら頭で考えても、感情は全く別だった。
どんなことをしても別れたくなかった。どんなに無様な姿を晒そうと、ずっと傍にいたかった。
二度も捨てられたら、きっともう生きていけない。
「森野、早くぅ」
「そうだ、さっさとしろ!」
森野は咄嗟に顔を上げた。いつのまにか仕事中に私的な考え事に耽っていたのだ。
実に森野らしくない。
これから、社の親睦会に向かうところだ。
場所は<ウナ・フォグリア>
高塚物産と共同出資しているイタリアンレストランだ。経営はすこぶる順調で、二店舗目を出店する計画中だ。
森野も急いで社用車に乗り込む。
「もうっ、なんで森野、前に乗らないの!」
一葉にぶつぶつと文句を言われ、だって後ろの扉がいていたからと内心言い訳する。
「一葉、森野に絡むな」
容がいつものように一葉の頬を指先で軽く撫で、誘惑するように宥める。
「だって……どうしてあのお店で飲み会なの?僕、あいつに会いたくない」
「いつまでもそんなこと言ってると、今夜は一緒に寝てやらない」
「やっ!いじわる……」
なんだかわからないが、珍しく仲のいい二人がもめている。とはいえ、痴話げんかというより、ほとんどただいちゃついているようにしか見えない。
森野はそんな二人を見てさらに落ち込む。歳の近い二人は、恋人であり、友人であり、兄弟で家族だ。繋がりは森野と守に比べたら、とても深いもので、到底かなわない。
「森野、溜息吐くな」
「森野は呆れてるんだよ。一葉がわがまま言うから」
「わがまま?」
「そうだ、お前はいつもわがままなんだ」
そう言えば、僕も守くんにわがままだって言った。本当はそんなことなかったのに。
「だって、容はわがままいう僕が好きでしょ?」
僕もわがままを言う守くんが好きだ。僕と一緒に暮らしたいと言い張ってくれた守くんが大好きで……。
「森野、泣く事はないだろう?一葉が仕事しないからって」
「失礼なこと言わないでよ!ちゃんとしてる」
「それは社長の仕事か?それとも俺の秘書だと言って後を付け回すことか?」
「社長の仕事してるから、嫌だけどこれからあの店に行くんでしょ!挨拶だってちゃんとするし」
「いい子だ。帰ったら、たっぷり可愛がってやるから」
それから二人は車内で恥ずかしげもなく、唇を重ね合わせた。
つづく
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守は今度こそ森野に愛想をつかれてしまったのではと、怖くて連絡できなかった。
一方の森野は、真剣に今後の守との付き合いについて考えていた。
もしかするとこのまま別れてしまった方が守の為なのではと、そんな事できるはずもないのに悩み続けている。
守はまだ若い。
これからもっといろいろな恋愛を経験するだろう。
現に学校で告白されたと言っていた。自分ではなくその子と付き合った方が――
その先を考えると恐ろしかった。
守の為にああしたほうがいい、こうした方がいいといくら頭で考えても、感情は全く別だった。
どんなことをしても別れたくなかった。どんなに無様な姿を晒そうと、ずっと傍にいたかった。
二度も捨てられたら、きっともう生きていけない。
「森野、早くぅ」
「そうだ、さっさとしろ!」
森野は咄嗟に顔を上げた。いつのまにか仕事中に私的な考え事に耽っていたのだ。
実に森野らしくない。
これから、社の親睦会に向かうところだ。
場所は<ウナ・フォグリア>
高塚物産と共同出資しているイタリアンレストランだ。経営はすこぶる順調で、二店舗目を出店する計画中だ。
森野も急いで社用車に乗り込む。
「もうっ、なんで森野、前に乗らないの!」
一葉にぶつぶつと文句を言われ、だって後ろの扉がいていたからと内心言い訳する。
「一葉、森野に絡むな」
容がいつものように一葉の頬を指先で軽く撫で、誘惑するように宥める。
「だって……どうしてあのお店で飲み会なの?僕、あいつに会いたくない」
「いつまでもそんなこと言ってると、今夜は一緒に寝てやらない」
「やっ!いじわる……」
なんだかわからないが、珍しく仲のいい二人がもめている。とはいえ、痴話げんかというより、ほとんどただいちゃついているようにしか見えない。
森野はそんな二人を見てさらに落ち込む。歳の近い二人は、恋人であり、友人であり、兄弟で家族だ。繋がりは森野と守に比べたら、とても深いもので、到底かなわない。
「森野、溜息吐くな」
「森野は呆れてるんだよ。一葉がわがまま言うから」
「わがまま?」
「そうだ、お前はいつもわがままなんだ」
そう言えば、僕も守くんにわがままだって言った。本当はそんなことなかったのに。
「だって、容はわがままいう僕が好きでしょ?」
僕もわがままを言う守くんが好きだ。僕と一緒に暮らしたいと言い張ってくれた守くんが大好きで……。
「森野、泣く事はないだろう?一葉が仕事しないからって」
「失礼なこと言わないでよ!ちゃんとしてる」
「それは社長の仕事か?それとも俺の秘書だと言って後を付け回すことか?」
「社長の仕事してるから、嫌だけどこれからあの店に行くんでしょ!挨拶だってちゃんとするし」
「いい子だ。帰ったら、たっぷり可愛がってやるから」
それから二人は車内で恥ずかしげもなく、唇を重ね合わせた。
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2011-10-18 00:13
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