はじめまして。


BL小説を書いております、やぴと申します。
こちらは男同士の恋愛小説となっております。
ストーリーの関係上、性描写があります。
ご理解いただける方のみ、自己責任において閲覧ください。
実際は小説と呼べるほどのものでもなく、趣味で書いていますので、稚拙な文章ではありますが楽しく読んで頂けると幸いです。

コメントなど気軽に頂けると嬉しいです。
誹謗中傷などの心無いコメントは当方で削除させていただきます。ご了承下さい。

Sの可愛い子犬 11 [Sの可愛い子犬]

「じゃあ、さっさと脱げよ」

ステフは苛々と言い、ジョンがベッドの上でごそごそと服を脱ぐ姿をじっと見ていた。靴下を脱いだ時、その顔色が変わった。

「ジョン、脚どうした?」

ジョンは言われて脚を見た。先ほど箒で叩かれたところが赤くなっていた。

「あっ……あの、ぶつけて――」咄嗟に嘘をついてしまった。ステフが心配そうな顔をしたように見えたのは気のせいだろうか。

「お前、嘘つくの下手だな。誰にやられた?」ステフはその程度の嘘などお見通しとばかりに目を細め、ジョンをねめつけた。

「誰にも。僕がぶつけたんです」ジョンは視線から逃れるようにうつむいた。

「ふーん……そいつを庇うのか……俺に嘘つくとどうなるか分かってるのか?」

「いえ……」

叩かれたことを告げ口すれば、もっとひどい目に遭うかもしれない。でも言わなければ、きっと今ひどい目に遭う。それでも、ジョンは言うつもりはなかった。この屋敷の誰も彼もが自分を嫌っているなんて考えたくなかったし、それをステフに知られるのも嫌だった。

「俺の玩具に傷つけた奴を、お前は庇うってことだな」

ステフが怒っているのはジョンにも分かっている。怒らせるべき相手ではないことも。

「ごめんなさい…僕がぶつけたんです。今度から気を付けますから」

ステフは頑ななジョンに嫌気がさしたのか、無言で部屋を出て行った。
残されたジョンは暫く裸のまま待っていたが、ステフが戻ってこないのでベッドに横になって待った。

いつしかジョンは眠ってしまっていた。
陽が沈むころになってようやくステフは戻ってきた。

「ジョン、起きろ!」

ジョンは飛び起きて、寝ぼけた目を擦りながらベッドに歩み寄ってくるステフを見た。

「ステフ様、僕眠ってしまって……」

「お前を傷つけるやつは、全員クビにしてやったからな」ステフはベッドに飛び乗り、ジョンを抱きしめそう言った。

「ステフ様、今……なんて?」

「使用人を全員クビにしたんだ。明日には新しいやつらがくるから、それまでは二人で何とかしないとな…」

いったいステフは何をしたのだろう。
全員クビにしてしまうなんて、本当にステフにはその力があったのだということに驚かされた。これで僕も逆らえばどうなるのかはっきりした。兄のことは脅しではないということだ。

でも、どうして僕のためにそこまで……それに、僕が黙っていたために関係ない人達まで職を失った。いや、そもそもそんなに大ごとでもないのだ。ただちょっと脚を叩かれただけだ。

「どうしてそんな……そんなことしたら、使用人の方たちが困ってしまいます」

その言葉にステフは腕の中からジョンを引き離し、さらには突き飛ばしベッドに転がした。

「お前は、俺の好意よりも使用人が大事なのか?」

「いえ……」

ステフがジョンの顔を覗き込むように両側に手をつき、上に跨った。

「あいつらはお前を傷つけた。俺のジョンの綺麗な足に傷をつけたんだ、クビになって当然だっ!」

ちょっと赤く腫れただけで、傷が残るわけでもないのに、どうしてステフはこんなにむきになっているのだろうかとジョンは思ったが、そんなふうに言われればなんとなく嬉しくて、それ以上クビになった使用人のことなどどうでもいいと思った。

「はい、ステフ様。あの、ありがとうございます」

「ジョン……喜んでくれたのか?」

「はい」

ステフはそのまま腕の力を抜き、ジョンに覆いかぶさった。

「ジョン……俺のそばにずっといるんだぞ。ジョン、お前は俺のものだからな」

それからステフはジョンを抱いた。
それが終わると、使用人がいないので食事は缶詰で済ませた。
そしてまた部屋へ戻ると、何度も何度もジョンを抱いた。

つづく


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