はじめまして。


BL小説を書いております、やぴと申します。
こちらは男同士の恋愛小説となっております。
ストーリーの関係上、性描写があります。
ご理解いただける方のみ、自己責任において閲覧ください。
実際は小説と呼べるほどのものでもなく、趣味で書いていますので、稚拙な文章ではありますが楽しく読んで頂けると幸いです。

コメントなど気軽に頂けると嬉しいです。
誹謗中傷などの心無いコメントは当方で削除させていただきます。ご了承下さい。

伯爵と少年 7 [伯爵と少年]

それから寒い冬は過ぎ、暖かな春が来た。

エドワードはアンディに家庭教師をつけ勉強をさせ、図書室の本も好きなだけ持ち出して読むことを許した。
アンディは最初こそ戸惑っていたが、勉強は好きなようで字もすぐ読めるようになり、書くのも瞬く間に上達した。もしかしたら、もともと出来ていたのかもしれないとエドワードは思った。

エドワードはアンディと過ごす時間を何より楽しんだ。
午後のお茶の時間は二人でゆったりと過ごすのが日課となっていた。
アンディは紅茶よりも、中国茶が好きだった。それと薔薇のジャムが大好きだった。
エドワードはアンディに惜しみない愛情を注ぎ、アンディもそれに答えるようにいつも笑顔でエドワードに寄り添っていた。

「ほんと、あの子はいい子だよ。かわいらしくてねぇ。あんな子がロンドンの街で一人で生きていたかと思うと、なんて世の中なんだろうって思うよ。五年もだよ……そういえばエドワード様がこちらで過ごすようになったのも、そのくらい前だったわね」

メアリはいつものように、通いのメイド、ヘレンとルーシーに向かって一方的にしゃべり続けていた。
ヘレンとルーシーはいつもの事なので、邪魔しないように絶妙な相槌を打ちながら自分の仕事をてきぱきとこなしていた。

ヘレンは三十歳になるころ夫を失い、この村に戻ってきてからずっと屋敷で働いている。ルーシーは十代のころから屋敷に勤めていて、まだ二十二歳だが行き遅れを自覚し結婚はもう無理だと諦めていた。こんな閉鎖的な村にいては相手が見つかるはずない。

「アンディが来てからお屋敷の雰囲気が明るくなったと思わないかい?エドワード様だって、以前のようにお優しい人に戻ったしね。それにね、あの子はいろんなことに興味を持って、『メアリこれは何?』ってかわいく聞いてくるのさ。この間も、あの子は森の泉にしょっちゅう行くんだけど、『あそこの水はどうしてあんなに冷たいの?』って聞くから、『あれは聖なる泉で身を清めるところなのさ』って言ってやると目を輝かせてねぇ……」

彼女たちもアンディのことが好きだ。メアリにはもちろん、ヘレンやルーシーにも屈託のない笑顔を向けて話しかけてくる。

みんなアンディのことを好きにならずにいられなかった。

つづく


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