はじめまして。
BL小説を書いております、やぴと申します。
こちらは男同士の恋愛小説となっております。
ストーリーの関係上、性描写があります。
ご理解いただける方のみ、自己責任において閲覧ください。
実際は小説と呼べるほどのものでもなく、趣味で書いていますので、稚拙な文章ではありますが楽しく読んで頂けると幸いです。
コメントなど気軽に頂けると嬉しいです。
誹謗中傷などの心無いコメントは当方で削除させていただきます。ご了承下さい。
不器用な恋の進め方 第一部 1 [不器用な恋の進め方]
花嫁の秘密 スピンオフ
アーサーとメリッサの物語です。
第一部は花嫁の秘密舞踏会編でのお話と並行してます。
ロンドンのメイフェアに立ち並ぶ邸宅のなかでも、とりわけひっそりとした佇まいの邸宅。その一室でアーサーは新聞記事に目を通していた。
これからシーズンの盛りを迎えようというのに、すでに色々なパーティーの出席に嫌気がさしてきた。
アーサーは社交界の集まりはとんでもなく退屈でくだらないと思っている。だが一応子爵と言う立場では、受けなければならない招待は意外にも多い。なおかつ今はあの日以来落ち着かない日々を送っているのだから、くだらないパーティーでもいいから参加して気を紛らわせたかったのだ。
あの日、劇場でメリッサ嬢を目にしてからというもの始終彼女のことばかり考えている。稲妻に打たれたかのように、全身に電流が走った。身体が痺れほんの一瞬だが動けなかったほどだ。
そう、アーサーは一目で恋に落ちていたのだ。
いや、もうこれは愛なのだと本人は自覚している。
友人のメイフィールド侯爵クリストファー・リードことクリスも同じような感覚を味わったのだと言う。
『魂がそう呼びかけた』
かつてクリスが侯爵夫人と出会った時に感じた事だと言う。正確に言うなら、彼の場合出会う前から何かを感じていたらしいのだが。
最初この言葉を聞いた時は、馬鹿馬鹿しいと思っていたが、まさか自分も同じ気持ちになるとは思いもしなかった。
そして今朝新聞の記事の中に彼女の名を見つけたのだ。
メリッサ嬢引退の文字。
彼女がどれだけ女優として素晴らしかったかということが書き連ねてあったが、最後には彼女を侮辱するような文字で締めくくっていた。
――女優を引退した彼女の暮らしは今後も安泰だろう。なぜなら複数のパトロンが彼女の面倒見るのは間違いないのだから――
ここで言うパトロンは、ロゼッタ夫人の様な純粋に支援している者のことではなく――アーサーは出来る限りメリッサについて調べている。そこでロゼッタ夫人がメリッサを支援しているという事を知った――単純に『愛人』を意味している。しかも複数。
アーサーはこの低俗な新聞を読むのは今後一切やめようと決めた。
女優と言う職業が世間からどう見られているかは俺だって知っている。実際そういう愛人を持ったこともある。
高潔な彼女が愛人の庇護のもと暮らしている姿が全く想像できなかった。
もはや新聞記事が間違っているとしか思えない。
アーサーは新聞を丸め暖炉に放り込んだ。
つづく
>>次へ
あとがき
こんばんは、やぴです。
劇場でメリッサに一目ぼれをしたアーサーのお話です。
メリッサの過去も少しづつ分かってきます。
第一部は仮面舞踏会でのあれこれ…
この話が続くかどうかは未定…
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アーサーとメリッサの物語です。
第一部は花嫁の秘密舞踏会編でのお話と並行してます。
ロンドンのメイフェアに立ち並ぶ邸宅のなかでも、とりわけひっそりとした佇まいの邸宅。その一室でアーサーは新聞記事に目を通していた。
これからシーズンの盛りを迎えようというのに、すでに色々なパーティーの出席に嫌気がさしてきた。
アーサーは社交界の集まりはとんでもなく退屈でくだらないと思っている。だが一応子爵と言う立場では、受けなければならない招待は意外にも多い。なおかつ今はあの日以来落ち着かない日々を送っているのだから、くだらないパーティーでもいいから参加して気を紛らわせたかったのだ。
あの日、劇場でメリッサ嬢を目にしてからというもの始終彼女のことばかり考えている。稲妻に打たれたかのように、全身に電流が走った。身体が痺れほんの一瞬だが動けなかったほどだ。
そう、アーサーは一目で恋に落ちていたのだ。
いや、もうこれは愛なのだと本人は自覚している。
友人のメイフィールド侯爵クリストファー・リードことクリスも同じような感覚を味わったのだと言う。
『魂がそう呼びかけた』
かつてクリスが侯爵夫人と出会った時に感じた事だと言う。正確に言うなら、彼の場合出会う前から何かを感じていたらしいのだが。
最初この言葉を聞いた時は、馬鹿馬鹿しいと思っていたが、まさか自分も同じ気持ちになるとは思いもしなかった。
そして今朝新聞の記事の中に彼女の名を見つけたのだ。
メリッサ嬢引退の文字。
彼女がどれだけ女優として素晴らしかったかということが書き連ねてあったが、最後には彼女を侮辱するような文字で締めくくっていた。
――女優を引退した彼女の暮らしは今後も安泰だろう。なぜなら複数のパトロンが彼女の面倒見るのは間違いないのだから――
ここで言うパトロンは、ロゼッタ夫人の様な純粋に支援している者のことではなく――アーサーは出来る限りメリッサについて調べている。そこでロゼッタ夫人がメリッサを支援しているという事を知った――単純に『愛人』を意味している。しかも複数。
アーサーはこの低俗な新聞を読むのは今後一切やめようと決めた。
女優と言う職業が世間からどう見られているかは俺だって知っている。実際そういう愛人を持ったこともある。
高潔な彼女が愛人の庇護のもと暮らしている姿が全く想像できなかった。
もはや新聞記事が間違っているとしか思えない。
アーサーは新聞を丸め暖炉に放り込んだ。
つづく
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あとがき
こんばんは、やぴです。
劇場でメリッサに一目ぼれをしたアーサーのお話です。
メリッサの過去も少しづつ分かってきます。
第一部は仮面舞踏会でのあれこれ…
この話が続くかどうかは未定…
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2011-06-07 23:38
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