はじめまして。
BL小説を書いております、やぴと申します。
こちらは男同士の恋愛小説となっております。
ストーリーの関係上、性描写があります。
ご理解いただける方のみ、自己責任において閲覧ください。
実際は小説と呼べるほどのものでもなく、趣味で書いていますので、稚拙な文章ではありますが楽しく読んで頂けると幸いです。
コメントなど気軽に頂けると嬉しいです。
誹謗中傷などの心無いコメントは当方で削除させていただきます。ご了承下さい。
恋と報酬と 227 [恋と報酬と]
「それってさ、結局断られたってことなんじゃない?」陸は半分目を閉じた状態で、みそ汁をずずっとやる。今朝はお揚げときのこのみそ汁だ。
「おれも、そー思う」海はあくびついでに甘い卵焼きを口に入れる。マヨネーズをちょちょっと付けるのが美味しい食べ方。
朋はチッチと立てた人差し指を振った。さすがは朋。こういう仕草がさまになる。「いやいや。おまえたちまさにいをわかってないな。まさにいは無理なもんは無理な男だぞ。断るときはきちんと断るさ」
「僕も朋ちゃんの意見に賛成」コウタが隣で控えめに手を挙げる。
「コウタはいつだって朋ちゃんの意見に賛成だろ」陸が噛みつくように言う。今朝もご機嫌ななめだ。
「そんなことない、けど……」
コウタはそう言うが、そんなことあるのだ。
「よく考えてみろ。最近のまさにいは、前ほど俺たちのことをあれこれ言わなくなっただろう。それにさ、美影さんのこともなんだかんだ気にしてたし」そう言って朋は、美影に向かってウィンクをする。片目をつむっただけでも、うっかりすると心臓を射抜かれかねない威力がある。
「昨日だって、朋ちゃん、まさにいに怒られてたじゃん」と、海が言う。深夜のドタバタ劇の話だが、確かに朋は注意を受けていた。
「あれは、条件反射だろう?気にするほどじゃない」ふんっと鼻であしらう。本人がいないからと朋はいたって強気だ。
「でも、美影さんのことは気にしてると思う」花村がやっとのことで意見する。
美影はまだ口を挟めずにいた。おいしいごはんに口が空く隙がないからかもしれない。
「そりゃ気にするよ。自分のこと好きだっていう男子を無視できないでしょ」と陸。言葉の端々にトゲを感じる。
「これまでは無視してきたけどな。まさにいが男に告白されるのって初めてってわけじゃないけど、まともに取り合ったことは一度もなかった」と朋。
「そうだよ。だいたい、まさにいって女子にも冷たいじゃん。彼女だって、あんなにおっぱい大きいのにあっさり別れちゃってさ」海は箸を持ったまま、両手で大きなおっぱいを形作った。
花村が鼻の穴を膨らませる。「海は大きい方が好きなの?その、おっぱ……ぃ」
「何言ってんの、花村」海は嫌悪をにじませ花村を見る。ぐさりと卵焼きに箸を突き立て、睨みつけ、口に運ぶ。おっぱい好きと思われたのは、かなり心外だったようだ。
「まさにいの彼女って気が強そうだったよね」コウタが言うと、全員が納得したように頷いた。
「じゃあ、今度はぜんぜんタイプが違うってことだよね?」海が美影に目配せをする。結局のところ、まさにいの『考えとく』を肯定的に取っているということだ。
本当は聖文が美影と付き合うことを了承したと言ったら、兄弟たちはどんな反応をするのだろう。
美影はちょっとした嘘を吐いたことに心苦しさを感じてはいたが、誰を優先すべきかは心得ていた。まずは今夜、もう一度話をしてからだ。
そう。美影も花村も、明日にならないと家には帰らない。
合宿はまだ続いているのだ。
つづく
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「おれも、そー思う」海はあくびついでに甘い卵焼きを口に入れる。マヨネーズをちょちょっと付けるのが美味しい食べ方。
朋はチッチと立てた人差し指を振った。さすがは朋。こういう仕草がさまになる。「いやいや。おまえたちまさにいをわかってないな。まさにいは無理なもんは無理な男だぞ。断るときはきちんと断るさ」
「僕も朋ちゃんの意見に賛成」コウタが隣で控えめに手を挙げる。
「コウタはいつだって朋ちゃんの意見に賛成だろ」陸が噛みつくように言う。今朝もご機嫌ななめだ。
「そんなことない、けど……」
コウタはそう言うが、そんなことあるのだ。
「よく考えてみろ。最近のまさにいは、前ほど俺たちのことをあれこれ言わなくなっただろう。それにさ、美影さんのこともなんだかんだ気にしてたし」そう言って朋は、美影に向かってウィンクをする。片目をつむっただけでも、うっかりすると心臓を射抜かれかねない威力がある。
「昨日だって、朋ちゃん、まさにいに怒られてたじゃん」と、海が言う。深夜のドタバタ劇の話だが、確かに朋は注意を受けていた。
「あれは、条件反射だろう?気にするほどじゃない」ふんっと鼻であしらう。本人がいないからと朋はいたって強気だ。
「でも、美影さんのことは気にしてると思う」花村がやっとのことで意見する。
美影はまだ口を挟めずにいた。おいしいごはんに口が空く隙がないからかもしれない。
「そりゃ気にするよ。自分のこと好きだっていう男子を無視できないでしょ」と陸。言葉の端々にトゲを感じる。
「これまでは無視してきたけどな。まさにいが男に告白されるのって初めてってわけじゃないけど、まともに取り合ったことは一度もなかった」と朋。
「そうだよ。だいたい、まさにいって女子にも冷たいじゃん。彼女だって、あんなにおっぱい大きいのにあっさり別れちゃってさ」海は箸を持ったまま、両手で大きなおっぱいを形作った。
花村が鼻の穴を膨らませる。「海は大きい方が好きなの?その、おっぱ……ぃ」
「何言ってんの、花村」海は嫌悪をにじませ花村を見る。ぐさりと卵焼きに箸を突き立て、睨みつけ、口に運ぶ。おっぱい好きと思われたのは、かなり心外だったようだ。
「まさにいの彼女って気が強そうだったよね」コウタが言うと、全員が納得したように頷いた。
「じゃあ、今度はぜんぜんタイプが違うってことだよね?」海が美影に目配せをする。結局のところ、まさにいの『考えとく』を肯定的に取っているということだ。
本当は聖文が美影と付き合うことを了承したと言ったら、兄弟たちはどんな反応をするのだろう。
美影はちょっとした嘘を吐いたことに心苦しさを感じてはいたが、誰を優先すべきかは心得ていた。まずは今夜、もう一度話をしてからだ。
そう。美影も花村も、明日にならないと家には帰らない。
合宿はまだ続いているのだ。
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2016-02-28 21:16
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