はじめまして。


BL小説を書いております、やぴと申します。
こちらは男同士の恋愛小説となっております。
ストーリーの関係上、性描写があります。
ご理解いただける方のみ、自己責任において閲覧ください。
実際は小説と呼べるほどのものでもなく、趣味で書いていますので、稚拙な文章ではありますが楽しく読んで頂けると幸いです。

コメントなど気軽に頂けると嬉しいです。
誹謗中傷などの心無いコメントは当方で削除させていただきます。ご了承下さい。

縁側と双子と愛猫と 後編 [迫田家シリーズ 番外編]

「そういえば最近、まさにい帰ってくるの遅いと思わないか?」

海のその言葉に、陸はほんの少し考えるように頭を傾げ言った。

「あー、確かにね。休みの日も夕方から出かけたりしてさ……あまり家にいないよね。何してるのかな?」

「俺はさ、彼女が出来たんだと思うんだよね」
海は悪戯を企む子供の様に、ニヒヒと笑った。

「海、その笑い方気持ち悪い……。でもさ、まさにいの彼女って想像できなくない?というか、まさにいの恋愛の話って聞いたことないよね」
陸は首を伸ばし外に出て行ったブッチを探している。

「まあ、そう言われればそうだね。というか、あんまり知りたくないや」

「確かにー!」
陸はそう言いつつも、視線は隣の畑のトマトの苗の間にそそがれている。
ちなみに陸の口癖は『確かに』なのだ。

「まさにいって、彼女に対してもあんな感じなのかな?命令口調と言うか、軍の隊長みたいな」

絶対そうに違いない。海は自分で言っておいて、ゾッとした。隣の陸も同じような反応だ。

聖文の恋愛事情など知りたくもない双子たちだが、案外楽しい話題なので続けることにした。

「デートとか遅れたら怒られそう。『罰として、俺にキスしろ』とか言ったりして」
大して似てもいない聖文のものまねをして、陸は自ら笑いのツボにはまった。

「キスもダメ出ししたりして~。『そうじゃない!もっと舌を使え!』とかさぁ」
海も面白がって聖文の口調をまねつつ、表情まで作ってみせた。

陸の笑いがぴたりと止まった。
それにつられて海も口を閉じる。いったい何?と陸の方を見る。

「舌、使うの?」
陸は上目遣いで、ぼそりと言った。その頬がほんのりとピンク色に色づいている。

「えっ?」
海はまさか?というような目で陸を見る。

陸はもじもじと指先を擦り合わせ、同い年の弟の出方を伺った。陸はまだ深く濃いキスを知らない。唇が軽く重なるだけの爽やかな、いかにも学生らしいキスしかした事がないのだ。しかも弟である海も同程度だと思っていたため、先ほどの海の言葉の衝撃は相当なものだった。

「海はそういうキスするの?」弟に後れを取った屈辱はさほどなく、好奇心の方が勝った。

「まあね。最近はしてないけど」

若干得意げなのが鼻につくが、陸はブッチ以外の事には心が広いのだ。

「ふうん。それっていいの?」

「んー……それほどでもないかな?」

海のその返事に陸は心底ほっとした。まぁ、たいした経験の差ではないな。

そんなことよりも――

陸はこれ以上ブッチと離れていられないと、おもむろに立ち上がり、庭先にブッチ同様飛び降りた。サンダルを適当に引っかけると、畑の中に勢いよく突き進んでいった。

話の途中で置き去りにされた海は、やれやれと言った感じでアイスを取りに立った。

おわり


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あとがき
こんにちは、やぴです。
双子の兄の方の陸は、ブッチLOVEのマイペース。
弟の海は大人ぶった悪がきといった感じでしょうか!?
そして二人は案外兄たちの動向を見逃さず、勝手気ままに分析してます

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